八女市黒木

福岡県八女市黒木：歴史と自然が調和する重要伝統的建造物群保存地区

八女市黒木は、福岡県八女市に位置する重要伝統的建造物群保存地区であり、筑後黒木とも呼ばれています。この地区は、八女市黒木町黒木および黒木町桑原の一部、約18.4haの範囲に及びます。

黒木の歴史

黒木は、もともと猫尾城の城下町として発展しました。廃城後は、豊富な山産物を扱う久留米藩の在郷町として繁栄しました。1587年（天正15年）には、矢部川と笠原川の合流点北西にある素盞鳴神社を起点に下町が形成され、その後、東側に中町と上町が広がっていきました。この発展に伴い、中井手用水が整備され、1714年（正徳4年）には黒木廻水路が完成しました。

町家の特徴

黒木の町家は、居蔵造と呼ばれる独特の建築様式が特徴です。これは、入母屋造で妻入りの二階建て、浅瓦葺の屋根を持つ建物を基本としています。外壁は軒裏まで漆喰で塗り込められており、防火性に優れています。明治後期から大正時代にかけては、真壁造や洋風建築も取り入れられるようになりました。

重要伝統的建造物群保存地区としての選定

2009年（平成21年）6月30日、黒木町黒木は重要伝統的建造物群保存地区として選定されました。2010年（平成22年）2月1日に市町村合併により黒木町が八女市に編入されたため、登録名が八女市黒木に変更されました。この選定は、黒木の伝統的な建造物群と、それを取り巻く環境が地域的特色を顕著に示していると評価されたことによるものです。

主な建造物と施設

黒木には、歴史的な建造物や自然豊かなスポットが数多く存在します。

旧松本家住宅、旧隈本邸: 往時の面影を伝える貴重な建造物です。
素盞鳴神社: 国の天然記念物に指定されている黒木のフジ（黒木の大藤）があり、4月中旬から5月上旬にかけて黒木大藤まつりが開催されます。
津江神社: 樹齢800年の大クスがそびえ立ちます。
黒木公園、南仙橋: 憩いの場として親しまれています。

アクセス

JR九州鹿児島本線羽犬塚駅下車後、堀川バスで約50分。
九州新幹線 (鹿児島ルート)およびJR九州鹿児島本線筑後船小屋駅下車後、堀川バスで約50分。
* 車の場合、九州自動車道八女インターチェンジから国道442号を経由して約30分。

周辺情報

黒木の周辺には、八女福島や城山公園（猫尾城跡）、霊巌寺（八女茶発祥の地）、お茶の里公園、グリーンパル日向神峡、グリーンピア八女など、魅力的な観光スポットが点在しています。

まとめ

八女市黒木は、歴史的な町並みと豊かな自然が調和した魅力的な地区です。重要伝統的建造物群保存地区として、その景観は大切に保存されています。古い町並みを散策したり、自然に触れたりしながら、ゆっくりと時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

もう一度検索