八方山主計

八方山主計（やかたやま かずえ）は、1917年5月5日に熊本県菊池郡泗水町（現在の菊池市）で生まれ、1977年3月4日に59歳で亡くなった大相撲力士です。本名を安武計（やすたけ かずえ）といい、出羽海部屋に所属していました。最高位は西前頭筆頭（1951年5月場所）で、現役時代の体格は180cm、131kgと恵まれていました。得意手は左四つ、寄りでした。

来歴

元々は剣道家を目指し、地元の道場で腕を磨いていましたが、その体格を見込まれ、吉田司家の紹介により16歳で出羽海部屋に入門しました。1934年5月場所で初土俵を踏み、当初は本名の「安武」を四股名としていましたが、後に「八方山」に改名しました。1940年5月場所で十両に昇進し、その1年後の1941年5月場所には入幕を果たしました。

入幕後は、幕内下位に低迷する時期が長く、中位に番付を上げたかと思えば大負けを喫するなど、なかなか上位に定着できませんでした。三役昇進、三賞、金星の獲得も叶いませんでした。1951年には、元横綱・前田山らと共にアメリカ巡業に参加しましたが、巡業契約延長のため帰国が遅れ、同年9月場所を全休しました。この際、協会内では厳しい処分を求める声も上がりましたが、相撲普及への貢献が認められ、休場による番付の降下は通常の全休より軽いものとなりました。

1952年5月場所を最後に幕内から陥落し、1953年1月場所後に引退しました。その後は年寄・不知火を襲名し、出羽海部屋の運営に尽力するとともに、相撲協会の監事、参与としても活躍しました。

人物

若い頃に膝と腰を痛めていたため、膝を十分に曲げることができず、それが大成を阻んだ要因の一つと言われています。しかし、その大きな体を生かした寄りを得意とし、土俵入りでは肥後細川家の家紋が入った化粧廻しを身につけていました。その風貌から「カバ」という異名で親しまれ、アメリカ巡業中には、プールで泳いでいる姿が外国人客にカバと間違えられたという逸話も残っています。

主な成績・記録

通算成績：212勝228敗1預44休 勝率.482
幕内成績：143勝174敗1預28休 勝率.451
現役在位：41場所
幕内在位：26場所

場所別成績

1951年9月場所はアメリカ巡業のため、出場不能でした。

幕内対戦成績

※他に鯱ノ里と預りが1つあります。

脚注


関連項目
大相撲力士一覧
吉田司家

もう一度検索