公友倶楽部

公友倶楽部：大正期の衆議院院内会派

公友倶楽部（旧字体：公󠄁友俱樂部）は、大正時代に存在した衆議院の院内会派であり、同時に政党としての性質も有していました。

結成の背景

その起源は、憲政本党の内紛によって政界を退き、早稲田大学の経営に専念していた大隈重信が、1914年に第2次大隈内閣を組閣したことに遡ります。この組閣を機に、早稲田大学関係者を中心に大隈を支援する動きが活発化し、「大隈伯後援会」が組織されました。

1915年の第12回衆議院議員総選挙では、大隈の養子である大隈信常が群馬県第1区から出馬し当選を果たしたほか、各地で大隈伯後援会に所属する候補者が議席を獲得しました。

発足と活動

選挙後、大隈伯後援会所属の議員たちは、大隈内閣を支持する無所属議員らと合同し、無所属団を組織しました。この無所属団には45名の議員が参加し、立憲同志会・中正会とともに与党の一翼を担うこととなりました。

1915年12月27日、この無所属団は「公友倶楽部」と改称しました。この時点での所属議員数は56名にまで増加していました。主な所属議員としては、大隈信常のほか、頼母木桂吉、高木正年、下岡忠治などが挙げられます。

解散

しかし、1916年に第2次大隈内閣が総辞職すると、事態は大きく変化します。立憲同志会総理の加藤高明を中心に、与党勢力を合同させる構想が浮上しました。大隈重信もこの構想に賛同したことを受け、公友倶楽部のうち25名の議員が、1916年10月10日の憲政会結成に参加しました。

一方、下岡忠治ら残りの27名の議員は、この合同には従わず、11月25日に中正会残留派の花井卓蔵ら9名の議員と合同し、「公正会」を結成しました。これにより、公友倶楽部は事実上解散することとなりました。

このように、公友倶楽部は短期間の活動期間であったものの、大正期の政界において一定の影響力を持った院内会派でした。

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