公孫恭

公孫恭（生没年不詳）は、後漢末期から三国時代にかけて生きた人物で、父は公孫度、兄は公孫康という家系に連なります。甥には公孫晃・公孫淵がいます。

兄の公孫康が遼東太守として亡くなった際、その子である公孫晃と公孫淵がまだ幼かったため、公孫恭が後継者として太守の地位を継承しました。魏の曹丕（文帝）からは、車騎将軍・仮節・平郭侯に任じられています。

しかし、公孫恭は病に倒れ、陰萎という病を患ってしまいます。228年、成人した甥の公孫淵に脅迫され、太守の座を譲ることを余儀なくされました。この背景には、公孫恭が兄の子である公孫晃を可愛がり、公孫淵を遠ざけようとしたことがあったとされています。公孫晃は将来を案じ、役職を得て都（許昌、後に洛陽）に赴き、弟の公孫淵の討伐を何度も上奏しましたが、受け入れられませんでした。その後、公孫淵が司馬懿に討伐された際、公孫晃も連座して処刑されています。

正史と『晋書』宣帝本紀によると、公孫淵が討たれた時、公孫恭は城内に幽閉されていました。司馬懿はこれを知り、「公孫恭が太守であった時代は公孫氏が魏に忠実であった」として、彼を釈放したと伝えられています。

小説『三国志演義』では、袁尚らが亡命してきた際に、公孫恭が兄と対応を相談する場面が描かれています。

関連人物：
公孫淵
公孫康
* 公孫度（升済）

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