六連島灯台

六連島灯台について

六連島灯台（むつれしまとうだい）は、山口県下関市にある歴史的な灯台で、関門航路及び日本海側の重要なランドマークとして知られています。この灯台は、海抜約20.3メートルに位置し、高さ約10.6メートルの石造の塔で構成されており、その下部には半円形の付属舎が備わっています。また、この灯台は明治時代に建設され、保存灯台としてBランクに分類されています。2020年には国の重要文化財に指定され、その文化的価値が認められました。

歴史的背景

六連島灯台の設置は、1867年に遡ります。この年は大政奉還によって江戸幕府が終焉を迎えた年で、兵庫開港に伴い外国船の安全航行を確保するための灯台が5か所設置されることが約束されました。この約束は、幕府がイギリスと締結した大坂条約に基づくものでした。その後、明治新政府がこの事業を引き継ぎ、「灯台の父」と称されるリチャード・ヘンリー・ブラントンの設計のもと、1870年に関門海峡の北側に建設が開始されました。そして、1872年1月1日、神戸以西で三番目の灯台として点灯を迎えました。

その後の1872年7月、明治天皇は九州への巡幸の途中で西郷隆盛などを伴い、六連島灯台を正式に訪問しました。この訪問は、灯台にとって特別なできごとであり、1936年には「明治天皇行幸所六連島燈臺」として史跡に指定されています。この指定は1948年に解除されましたが、灯台の重要性を示す出来事でした。

灯台の技術の進化

六連島灯台は当初、石油灯を使用していましたが、1925年に高圧式アセチレンガス灯に改修されました。その後、1952年には自家発電方式に切り替え、1963年には海底ケーブルを介して本土からの送電を開始しました。1969年には無人化され、現在は自動で運営されています。

1991年には、灯質が更新され、現在では単閃白光を発し、3秒ごとに1回の閃光を点滅します。その光度は3,700カンデラで、光達距離は12.0海里に達するLEDを利用した照明が使用されています。さらに、1995年には下関市指定文化財に指定され、2004年には門司海上保安部の管理下に置かれました。

文化財としての重要性

六連島灯台は、国の重要文化財として現在もその文化的価値が評価されています。灯台自体に加え、以下の附属物も重要文化財として指定されています。

• - 旧日時計
• - 石垣
• - 旧俎礁標

この灯台は、海上保安庁によっても重要視されており、航海の安全を支える存在として地域社会に寄与しています。文化財としての役割を担い続ける六連島灯台は、訪れる人々にその悠久の歴史を物語っているのです。

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