兵動秀治

兵動 秀治

兵動 秀治（ひょうどう ひではる）は、1979年8月10日生まれ、佐賀県出身の元プロ野球選手であり、現在は競輪選手として活躍する。

プロ野球選手としての経歴

野球との出会いは小学校時代に遡る。中学時代には野球に加え、陸上競技でも佐賀県の上位に入るなど、高い身体能力を示していた。佐賀商業高校に進学後、野球部では内野手として活躍。2年時には夏の佐賀大会でベスト8進出に貢献し、3年夏には第79回全国高等学校野球選手権大会に出場。甲子園の舞台では、1回戦で逆転満塁本塁打を含む6打点を記録し、その打棒を全国に知らしめた。高校通算44本塁打という記録を残し、走攻守三拍子揃った大型内野手として注目を集める。

1997年度のNPBドラフト会議において、広島東洋カープから2位指名を受け入団。担当スカウトは村上孝雄氏。契約金8,000万円、年俸600万円（いずれも推定）という高評価でのプロ入りとなった。

プロ入り後、1998年は2軍において全試合出場を果たすなど、首脳陣からの期待は大きかった。1999年には、正田耕三氏の引退に伴い空いた二塁手のレギュラー候補として期待され、背番号も「4」を継承する。開幕1軍入りが有力視されていたが、春季キャンプ中に右肘を痛め、関節遊離体の除去手術を受けることになり、戦線から離脱。二塁手のポジションを巡る競争（エディ・ディアス、木村拓也、笘篠賢治、東出輝裕らとの争い）から出遅れてしまう。リハビリを経て実戦復帰するも、東出輝裕選手が先にスタメンに定着。監督の達川光男氏は兵動と東出を交互に起用する時期もあったが、機動力重視のチーム方針から最終的に東出が二塁手に固定され、レギュラー獲得はならなかった。

2000年、2001年も怪我や体調不良、レギュラー陣の固定などもあり、主に2軍での調整が続いた。2001年には春季キャンプで監督賞を受賞するなどアピールする場面もあったが、定位置確保には至らなかった。

2002年には、6月19日の対阪神タイガース戦で代打として起用され、同点状況から勝利打点となる二塁打を放ち、チームの連敗を止める活躍を見せた。しかし、この一打がその後のスタメン起用につながることはなく、シーズンを終える。2軍では、入団当初に指導を受けたバットを短く持つ打法から、長打を狙うスタイルへと変更。本塁打数は増加したが、打率は.227と低迷した。シーズン終了後には背番号が「4」から「58」に変更されるなど、状況は厳しくなった。

2003年は2軍でも主に代打での起用が増える。この年は前年の長打路線から転換し、打率向上に重点を置いた結果、自己最高の打率.292を記録する。ウエスタン・リーグの優勝決定戦にも出場するなど最後までプレーしたが、シーズン終了翌日に自由契約となった。

広島を退団後、2004年から2005年にかけては単身渡米し、現役復帰を目指してトライアウトに参加したり、韓国プロ野球のキャンプに参加したりと模索を続けた。2006年からはクラブチームの佐賀魂でコーチ兼内野手としてプレー。また、広島市内のトレーニング施設で野球教室を開き、子どもたちの指導にあたるなど、野球との関わりを続けていた。

競輪選手への転身

プロ野球選手としての道を断念した後、競輪選手への転身を決意する。これは、競輪学校（当時）の年齢制限上限が撤廃されたことや、佐賀商業高校野球部の先輩である競輪選手、池田浩士氏からの誘いがきっかけとなった。日本競輪学校第97期を受験し、2008年7月に合格。在校時の競走成績は55位であった。

2009年11月1日付で、日本競輪選手会広島支部に所属する競輪選手として登録された。プロデビューは2010年1月2日、ホームバンクである広島競輪場で行われたレース。このデビュー戦は最下位であったが、同年2月12日には熊本競輪場で初勝利を挙げる。さらに、同年12月8日には玉野競輪場で自身初の優勝を飾った。

野球で培った身体能力と、競輪という新たな世界での研鑽を重ね、現在もプロフェッショナルアスリートとして活躍を続けている。

詳細情報

記録（NPB）

初出場：1999年5月5日 対ヤクルトスワローズ6回戦（明治神宮野球場）
初打席：同上（空振り三振）
初先発出場：1999年5月12日 対読売ジャイアンツ7回戦（広島市民球場） 2番・二塁手
初安打・初打点：同上（3回裏 木村龍治から左前適時打）

背番号（NPB）

46（1998年）
4（1999年 - 2002年）
* 58（2003年）

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