兵藤長雄

兵藤長雄（ひょうどう ながお）

プロフィール

兵藤長雄は、1936年に生まれ、2017年5月16日に80歳で亡くなった日本の外交官です。彼は、ポーランドおよびベルギーの特命全権大使、外務省欧亜局長など、数々の重要な役職を歴任しました。

外交官としてのキャリア

1961年に東京大学法学部を卒業後、外務省に入省。ロシア語研修のため、イギリスの教育機関で学びました。

1971年には福田赳夫外務大臣の秘書官を務め、その後も駐イギリス大使館一等書記官、駐ソビエト連邦大使館参事官など、海外での勤務経験を重ねました。

1980年代には、経済局資源課長、欧亜局東欧第一課長、駐フィリピン大使館参事官兼マニラ総領事、駐米公使などの要職を歴任。

1990年には外務省欧亜局長に就任し、北方領土問題に関する交渉を担当しました。

1993年にはポーランド駐箚特命全権大使、1997年にはベルギー駐箚特命全権大使として、それぞれの国との外交関係を深めました。

2000年に外務省を退官するまで、長年にわたり日本の外交に貢献しました。

北方領土交渉における役割

特に、欧亜局長時代の1992年3月、北方領土交渉において、ロシアのクナーゼ外務次官から提示された、歯舞・色丹の返還協議と国後・択捉の帰属協議を同時並行で行うという提案を拒否したことは特筆されます。これは、日本の立場を強く主張した事例として、外交史に残る出来事です。

退官後の活動

外務省退官後は、教育・研究分野で活躍しました。

2000年4月には東京経済大学現代法学部教授に就任し、後進の育成に尽力しました。また、国分寺市国際協会会長、Inter-Action Council事務局次長、総合研究大学院大学評議員、北方領土対策協会北方領土研究会委員、エフィシー国際親善協会理事、霞関会評議員、日本アルメニア科学教育文化交流協会顧問、総合研究大学院大学学長選考会会議委員、東京財団評議員、ユーラシア21研究会理事など、多岐にわたる役職を歴任。

2013年4月には、名古屋市立大学22世紀研究所特任教授に就任し、研究活動にも貢献しました。

人物像

兵藤長雄は、外交官として国際舞台で活躍する傍ら、教育者、研究者としてもその才能を発揮し、多くの人々に影響を与えました。彼の知性と国際感覚は、多くの人々に尊敬され、その功績は後世に語り継がれています。

同期入省者

佐藤行雄（駐オーストラリア大使・駐オランダ大使・外務省北米局長）
久米邦貞（駐ドイツ大使・駐ハンガリー大使・ボーイスカウト日本連盟副理事長兼国際コミッショナー）
村田光平（駐スイス大使）
柳井俊二（外務事務次官・国際海洋法裁判所所長）
小原武（駐イラン大使・外務省中近東アフリカ局長）
赤尾信敏（駐タイ大使・国連局長）
川上隆朗（駐インドネシア大使・駐パキスタン大使）

外部リンク

22世紀研究所研究員（特任教授）　兵藤長雄

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