内城

内城（うちじょう）

内城は、かつて鹿児島県鹿児島市大竜町に存在した、島津氏の居城です。この城は、島津氏の歴史において重要な役割を果たしました。

歴史

1550年（天文19年）、島津貴久は、それまで本宗家が使用していた清水城が手狭になったため、海岸近くのこの地に移り住み、内城を築きました。内城は、背後を固める城として東福寺城がありましたが、内城自体は比較的簡素な平城だったと考えられています。

その後、島津義久が内城に入り、1595年（文禄4年）までこの城に居住しました。しかし、豊臣秀吉の圧力により、義久は富隈城へ移ることになります。その後、島津忠恒が城主となりますが、朝鮮出兵のため国元を離れており、内城が使用されることはほとんどありませんでした。

1602年（慶長7年）、島津忠恒の命により、島津氏の本拠は鹿児島城へ移されました。内城跡には、島津貴久と義久の菩提寺である大龍寺が建立され、南浦文之を開山として迎えました。「大龍」という寺号は、貴久と義久の戒名に由来しています。

明治2年（1869年）の廃仏毀釈により、大龍寺は廃寺となり、その跡地には大龍小学校が建てられました。城郭としての遺構は完全に失われていますが、校庭には内城時代からあったとされる手水鉢や庭石がわずかに残っています。

特徴

内城は、平城であり、大規模なものではなかったと考えられています。しかし、島津氏の本拠地として、重要な役割を果たしました。海岸に近い場所に位置し、東福寺城を後詰めの城としていました。

現在

現在、内城の遺構はほとんど残っていません。しかし、大龍小学校の校庭に残る手水鉢や庭石は、かつてこの地に城があったことを物語っています。

関連事項

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外城制

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