復興号

復興号（ふっこうごう）

復興号は、台湾の鉄道システムにおいて過去に運行されていた列車の一つで、その名称は中華民国総統の蒋介石が1966年に提案した中華文化復興運動に由来しています。この列車は1981年に設立され、元々は莒興号の一部として運行されていましたが、その後独自の列車としての運行が確立されました。

背景と歴史

復興号の前身となるのは、莒興号に組み込まれていた「冷気対号」です。運行管理の効率性を高めるため、1981年に莒興号を莒光号と冷気対号に分ける過程で、「冷気対号」は復興号として独自に運用されることになります。運賃の体系としても、復興号は4つの運賃等級の中で3番目に位置しており、他の鉄道路線でも同様の料金体系が適用されていました。2020年時点では、運賃は1kmあたり1.46NTDという設定でした。

車両の製造と運行

1980年代初頭、台湾鉄路は唐栄鉄工廠に対して空調を備えた120両の新型客車を発注しました。1980年2月には最初の15両が納品され、従来の莒光号と共に運行がスタート。これにより、より快適な移動手段が提供されることになりました。この頃は莒光特快附掛対号としての名称で親しまれていました。

その後も、新型車両の投入が続き、1981年には全ての新型車両が完成。混合編成による運行は終了し、冷気対号が正式に復興号として運行を開始しました。1985年には新たに35SPK型の復興号車両が登場し、自動ドアと空調設備が屋根に配置される形でアップデートされました。

運行の変遷

1990年代には、空調の無かった平快車を復興号に昇格させ、運行が始まりましたが、運行速度や座席の快適性が向上しないままであったため、利用者から不公平感が生じていました。その後、2010年12月のダイヤ改正で西部幹線から撤退しましたが、2011年には再び東部幹線での運行が再開されました。これにより春節などの多客期には復興号としての仕様で運行される特急便も見られるようになりました。

最近の状況

2022年3月のダイヤ改正により、復興号は定期列車としての運行を終了しましたが、南廻線では区間車として運行が続けられていました。最終的に同年12月にはその運用も終了し、台湾における復興号の運行の歴史に幕を下ろしました。運行の最終運用期間中、復興号は利便性を増し、多くの駅に停車する形で利用されていました。台北から高雄までの所要時間は約7時間に及んでいました。

特色と運賃制度

復興号は、同一車両に対して座席配置の違いがあるため、座席間隔が狭くなることもしばしばありました。また、日本における似た種別としては、国鉄の準急列車に相当するという見解もありますが、日本の運賃制度と台湾のそれは異なるため、全体を一概に比較することは難しいです。

復興号の運行は長い歴史を持ち、台湾の鉄道文化の一端を担っていましたが、近年の運行形態の変化に伴い終焉を迎えました。利用者にとって便利な移動手段だった復興号の名称は、台湾の鉄道史において重要な位置を占める存在となっています。

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