内田常雄

内田常雄について

内田常雄（うちだ つねお、1907年6月30日 - 1977年12月29日）は、日本の政治家としての幅広い経験をもたらした重要な存在です。彼は、厚生大臣や経済企画庁長官として活躍し、衆議院議員としても9期にわたり国政に寄与しました。

学歴と初期のキャリア

内田は旧制松本高等学校文科甲類を卒業した後、東京帝国大学経済学部に進学しました。1930年に大蔵省に入省し、管財局に配属されました。彼は戦後、経済安定本部財政金融局長や管財局長を務めるなど、経済政策の実務に携わりました。1952年には山梨全県区から衆院選に立候補し、初当選を果たします。

自民党での活動

自民党内では宏池会に所属しており、池田勇人、前尾繁三郎、大平正芳の指導のもとで活動していました。1970年1月に、第3次佐藤内閣で厚生大臣に就任することとなり、ここから彼の政治キャリアは更なる高みに達します。さらに、1973年には第2次田中角栄内閣で経済企画庁長官に任命され、経済政策の形成に深く関与しました。

幹事長としての苦悩

1976年9月、内田は自民党の幹事長に就任することになりましたが、その背景には党内の複雑な状況がありました。彼は「三木おろし」と呼ばれる党内抗争の最中に、政務調査会長に内定されましたが、主流派に対する反発を受け、急遽幹事長としての役割を担うことになりました。彼自身はこのポジションへの指名を予想しておらず、「道を歩いていたらマンホールに落ちたような気分だ」と語ったことで、「マンホール幹事長」と揶揄されたこともあります。

幹事長として、内田は党の分裂を回避するために尽力しました。党両派間の摩擦を少なくするために、三木の円満な退陣を模索しました。彼は、事務局や党則、議員総会規則を研究し、次期総選挙後に新総裁を選出する方針を策定し、党内の調整を行いました。

彼が第34回[[衆議院議員総選挙]]（ロッキード選挙）を幹事長として仕切りましたが、選挙は分裂選挙となり、自民党の議席は減少しました。この結果、三木は退陣を余儀なくされ、内田も執行部から退きましたが、彼の努力によって大規模な分裂は回避されました。

最後の日々と評価

内田常雄は1977年12月29日、現職のまま70歳で亡くなりました。追悼演説は、日本社会党の鈴木強が行い、彼の政治的貢献が惜しまれました。死去の日には勲一等旭日大綬章が追贈され、従五位から正三位に叙されました。生前には勲章の授与を断ることもあり、彼は「後援者の方々のおかげであり、私一人が授与されても意味がない」と語って、謙虚な姿勢を貫いていました。

内田の業績や生涯は、いまだに日本の政治史において記憶されています。彼の後を継いで、山梨全県区から出馬し初当選した堀内光雄が、内田の死後に宏池会に参加し、その地盤を引き継いでいます。

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