内礼司

内礼司とは

内礼司（ないらいし）は、日本の古代律令制度下に存在した中務省に属する重要な機関です。この機関の主な役割は、宮中の礼儀を守り、非違行為を検査することです。内礼司は、宮中における特別警察的な役割を果たしており、その活動は平和な宮中生活を維持するために欠かせないものでした。

職掌について

内礼司の職務は、主に宮中の礼儀を適正に保つことにありました。また、非違行為の検察を行うために、伴部として「主礼」という役職が六名置かれていました。主礼は、伴部の中でも最も品官に近い地位を持ち、礼儀の遵守を監督する重要な役割を担っていました。もしも非違行為が発覚すれば、内礼司は中務省を通じて関連諸機関にその事実を報告しました。

このように、内礼司は宮中の秩序を維持するため、非違があれば迅速に対応することが求められていました。また、内礼司は裁判権を持つものの、他の機関同様に組織内部での軽罪だけを裁く権限しか持っていませんでした。

類似機関との関係

内礼司と類似の機関には「弾正台」があり、これは宮外の非違を検察する役割を担っていました。このように、内外を分かつ機関は他にも存在し、例としては大膳職と内膳司、内薬司と典薬寮、内兵庫と左右兵庫、内掃部司と掃部司などがあります。これらの機関は、その役割によって内外に分かれた機能を持つことで、より効率的に公的な秩序を維持していました。

内礼司の歴史

内礼司は、大同3年（806年）に弾正台に併合されました。これは、組織の集約による効率性の向上や、権力の整理を図る動きの一環とも考えられています。内礼司の機関が弾正台に吸収されることで、上記のような役割は弾正台に引き継がれましたが、内礼司自体の存在とその職務は日本の律令制度において重要なものであったことには変わりありません。

職員構成

内礼司の職員は以下のように構成されていました。

• - 正（正六位下相当）: 1名
• - 佑（正八位上相当）: 1名
• - 令史（大初位下相当）: 1名
• - 使部: 若干名
• - 直丁: 若干名
• - 主礼: 6名

このように内礼司は、ピラミッド型の職務階層を持ち、それぞれが特定の役割を果たしていました。日本の官制の中において、内礼司は重要な機能を担っていたといえるでしょう。

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