内藤清成

内藤清成の生涯と業績

内藤清成（ないとう きよなり）は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、大名としても知られています。彼は後に高遠藩内藤家の初代となり、岡崎譜代の家系に属していました。

幼少期と家督継承

弘治元年（1555年）、三河国岡崎にて竹田宗仲の子として生まれた清成は、内藤忠政の養子となり、19歳で家督を継承しました。彼は浜松にて徳川家康に召し出され、小姓として仕官し、次第に信任を得ることとなります。

天正8年（1580年）、清成は徳川秀忠の傅役を任され、天正18年（1590年）には秀忠の供をして上洛しました。この段階で、彼はすでに有望な武将として多くの人々に認められていました。

江戸入りとその後の活動

同年に家康が豊臣秀吉の命により関東に転封された際、清成は鉄砲隊を率いて江戸への進軍の先陣を務めました。彼は国府路（甲州街道）と鎌倉街道の交差地点に陣を敷き、遠見櫓を築いたとされます。さらには、家康より四谷から代々木村にかけて、広大な屋敷地を賜ることになります。この土地は後に新宿新宿と呼ばれる宿場が開設される基礎となり、明治維新まで内藤家の江戸藩邸として使用されました。

江戸に入った後の清成は、関東八州庶務奉行、関東総奉行、そして江戸町奉行、さらには老中などを歴任し、行政面で多くの功績を上げました。秀忠の傅役時代からの同僚である青山忠成と共に、幕府の初期の政治を支えたのです。

戦争への従軍

慶長5年（1600年）には、関ヶ原の戦いにも秀忠に同行し上田合戦に従軍しましたが、資料によっては江戸で留守居をしていたとする記述も見られます。

所領と官位

清成は1592年に相模国東郡に5000石を与えられ、以降の昇進も続きました。彼は文禄4年には従五位下修理亮に叙任され、豊臣姓を賜るに至ります。慶長6年（1601年）には常陸国、上総国、下総国内での加増を受け、所領は2万1000石となり、大名に列しました。

家康との関係

慶長11年（1606年）には、大御所家康の怒りを買い、秀忠により関東総奉行を解任され、籠居を命じられる事態に至ります。これは家康が狩場に仕掛けられた狩猟罠の件で、清成らが許可する形で行われたためとされています。家康の鷹狩の際に起こったこの事件は、家康と秀忠の実権争いが背景にあったのではないかと推測されています。しかしながら、その真相は未だに謎に包まれています。

晩年と死去

慶長13年（1608年）、清成は54歳で江戸にて病没しました。彼の長男である清次がその跡を継いだとされています。

伝説と文化的な影響

清成が拝領した広大な屋敷地には、家康とのエピソードによる伝説があります。彼が白馬で馬を駆け回り、「馬で乗り回した土地を全て与える」との言葉に応えた結果、広大な土地を得たというものです。この逸話は多武峯内藤神社に残る「駿馬塚の碑」として語り継がれています。

また、清成が記した『天正日記』は、江戸城下の建設や当時の事情を知るための貴重な資料となっていますが、偽書説も存在しています。

さらに、慶長8年には彼の実父竹田宗仲の菩提寺である宗仲寺を創建し、彼自身の墓もこの寺に同じく移されています。

内藤家は明治維新まで続き、清成は初代大名として語り継がれる存在となりました。

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