内藤記念くすり博物館

内藤記念くすり博物館

内藤記念くすり博物館は、岐阜県各務原市川島竹早町に位置する、医学と薬学を専門とした博物館です。この博物館は、製薬会社エーザイの企業博物館として、同社の川島工園内にあります。1971年（昭和46年）に「内藤記念くすり資料館」として開館し、その後、現在の名称に改称されました。創設者は、エーザイの創業者である内藤豊次氏です。

概要

博物館は、薬学と医学の歴史、薬の取り扱い、健康に関する知識を幅広く展示しています。所蔵資料は約65,000点に及び、図書も約62,000点に達します。江戸時代の製薬道具や医学道具の実物、薬屋の復元展示、解体新書などの貴重な文献も公開されています。

これらの資料は、年に一度開催される企画展で、特定のテーマに基づいて展示されます。また、隣接する薬草園では、薬草観察会などのイベントも開催されています。

博物館の敷地面積は22,417平方メートル、本館と展示館を合わせた延床面積は3,545平方メートルです。本館は白川郷の合掌造りをモチーフにした6階建て、展示館は2階建てとなっています。

展示資料の一部は、近代化産業遺産にも認定されており、日本の薬学史における重要な役割を果たしています。

博物館は、博物館法上の登録博物館であり、岐阜県まちかど美術館・博物館にも登録されています。

展示内容

展示内容は多岐にわたり、古今東西の薬学と医学に関する資料が展示されています。具体的には、以下のようなものが含まれます。

江戸時代の製薬道具と医学道具: 実物の道具や、当時の薬屋の様子を再現した展示があります。
貴重な文献: 解体新書などの歴史的な医学文献が展示されています。
薬の歴史: 古代から現代までの薬の変遷に関する資料が展示されています。
エーザイの歴史: エーザイの創立から現在までの歴史を紹介する展示があります。
薬草園: 約700種類の薬用植物が栽培されており、薬草観察会などのイベントが開催されています。

施設案内

本館

1階: ロビー、大ホール、小ホールがあります。
中2階: エーザイ製品の展示コーナーがあります。
3階: エーザイパブリシティラウンジ、社史コーナー、認知症コーナー、シアターがあります。

展示館

1階: 常設展示室があります。
2階: 常設展示室と企画展示室があります。

図書館

医学・薬学書を中心に約62,000点を収蔵しています。利用には事前予約が必要です。

薬用植物園

薬草園、薬木園、ポタジェ、ヒーリングガーデン、温室があります。約700種類の植物が栽培されています。

薬草園: ドクダミ、センブリ、トウキ、マオウ、シャクヤクなどの薬草や、カモミール、ローズマリーなどのハーブが栽培されています。チョウセンアサガオやトリカブトなどの有毒植物も栽培されていますが、立ち入りは禁止されています。
薬木園: キハダ、ニッケイ、アケビなどが栽培されています。
温室: カカオ、バニラ、バナナ、ビャクダンなどの熱帯有用植物が栽培されています。
ポタジェ: ボランティア団体「薬草友の会」によって管理されています。

利用案内

開館時間: 9時～16時30分
休館日: 毎週月曜日、年末年始（12月28日～1月8日）
入館料: 無料（受付でタブレットによる入力が必要、イベント時は不要）

交通アクセス

公共交通機関:
各務原市ふれあいバス川島線「内藤記念くすり博物館」バス停下車、徒歩すぐ。
名鉄バス一宮川島線「川島口」バス停下車、徒歩約22分。「川島」バス停下車、徒歩約20分。
岐阜バス笠松川島線「川島小学校前」バス停下車、徒歩約20分。
自動車:
東海北陸自動車道岐阜各務原ICより約15分。
東海北陸自動車道一宮木曽川ICより約15分。
名神高速道路一宮ICより約35分。

関連事項

エーザイ株式会社
日本の博物館の一覧

参考文献

各務原市教育委員会 編『新発見!各務原市の歴史』各務原市教育委員会、2024年。

外部リンク

* 内藤記念くすり博物館

内藤記念くすり博物館は、薬学と医学の歴史を深く理解できる場所であり、一般の方から専門家まで、幅広い人々にとって有益な施設です。薬草園や庭園も併設されており、自然に親しみながら知識を深めることができます。

もう一度検索