内藤貞正

内藤貞正は、室町時代に活躍した武将であり、細川氏に仕え、丹波国の守護代という重要な役職を担っていました。内藤氏は代々、丹波守護である細川京兆家に仕え、その家臣として守護代を務める家柄でした。本拠地は丹波八木城です。

永正4年（1507年）6月、主君である細川政元が暗殺されるという永正の錯乱が勃発します。この混乱の中で、貞正は当初、細川澄之に味方し、澄之が戦死した崇福寺・遊初軒の戦いにも参加しました。澄之の死後、細川澄元が跡を継ぐと、貞正は細川家の細川高国や摂津国の伊丹元扶らと共に、前将軍である足利義稙を擁する大内義興の上洛軍を迎え撃ちました。永正5年（1508年）4月には、細川澄元や三好之長、そして11代将軍足利義澄を近江へと追い落とすという戦果を挙げています。

その後、貞正は細川高国に重用され、永正9年（1512年）2月15日には、細川高国の邸宅で行われた猿楽興行を主催するなど、高国との親密な関係を築きました。これは、貞正が文化的な面でも才能を発揮し、高国を支えていたことを示唆しています。

遅くとも永正11年（1514年）までには、息子の国貞に守護代の地位を譲っています。しかし、これは隠居が目的ではなく、国貞が京都で高国を補佐し、貞正は丹波の統治に専念するためであったと考えられています。つまり、内藤家としての役割分担を行い、組織としての強化を図ったと言えるでしょう。

永正17年（1520年）5月の等持院の戦いにおいても、貞正は伊丹国扶と共に細川高国を支援し、三好之長を敗死させるという功績を挙げました。これにより、高国政権の安定に大きく貢献しました。

内藤貞正は、戦国時代の激しい動乱の中で、主君である細川氏を支え、丹波国の統治に尽力した武将でした。彼の戦略的な判断や政治手腕は、細川氏の勢力維持に大きく貢献し、内藤氏の家名を高めることにも繋がりました。

関連する氏族としては、丹波波多野氏、丹波赤井氏、小西氏などが挙げられます。また、将軍山城も内藤氏と関連があると考えられています。

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