出雲型装甲巡洋艦

出雲型装甲巡洋艦

出雲型装甲巡洋艦は、1896年に制定された六六艦隊整備計画の中で、大日本帝国海軍が初めて発注した装甲巡洋艦です。この艦級には「出雲」と「磐手」の2隻が含まれ、共にイギリスのアームストロング社エルジック造船所で建造されました。特に、当艦級は先に建造された浅間型の改良型として、フィリップ・ワッツ造船技師によって設計されたことが特徴です。

概要

出雲型装甲巡洋艦は、艦首の設計や機関構造において、前型の良い部分を引き継ぎながら、さらなる改善が施されました。特に目を引くのは、その外観で、艦首の45cm水中魚雷発射管を省略し、艦首形状を整形したことです。また、旧式の円缶からフランス製のベルヴィール式に変更することで、機関重量の軽減を図ると共に、3本煙突のデザインにすることで、見た目にも力強さと流線型を印象付けました。

艦形

本型は平甲板型で、乾舷が高く取られており、優れた凌波性を誇ります。主砲塔は新設計の20.3cm（45口径）砲を搭載しており、確かな攻撃力を持つことが見込まれていました。特に、砲塔は楕円筒形を採用し、優れた火力を誇ります。艦載艇やボートクレーンの基部にも、シャープなデザインがなされており、多機能な艦橋や煙突と並び、装甲巡洋艦全体のバランスを考慮した形状となっています。

武装

出雲型の主砲はアームストロング社製の20.3cm砲であり、左右に旋回可能な連装砲塔として設計されています。射程は約18,000メートルに及び、その威力は十分に評価されています。さらに、15.2cm副砲や、様々な口径の速射砲、魚雷発射管も装備されることにより、艦の火力は多様化され、実戦での柔軟な対応が可能となっています。特に進化した対空火器も搭載されるなど、戦局に応じた適応能力が重要視されていました。

機関

機関に関しては、ベルヴィール式の水管缶と直立型三段膨張式のエンジンが組み合わされ、出力は14,500馬力に達しました。これにより、20.8ノットの速力を発揮し、航続距離も確保されていました。さらには、1931年と1935年にボイラーの換装が行われ、信頼性向上も図られましたが、速力は16ノットに減少しました。

防御

防御能力においては、同時期のイギリス戦艦に匹敵する重装甲が施されており、水線部は89mmから178mmの装甲厚があることが特徴です。また、使用される装甲材質もニッケル鋼からクルップ式鋼板へと進化しており、その高い硬度と弾力性が防御力の向上に寄与しています。全体として、出雲型装甲巡洋艦は当時の艦船の中でも高度な設計と優れた戦闘能力を有した艦級として位置付けられています。

同型艦

• - 出雲（いずも）
• - 磐手（いわて）

出雲型装甲巡洋艦は、その設計思想や性能の高さから、歴史において特筆すべき艦船であり、今なお多くの人々に記憶されています。

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