初音ミクの音楽コンテンツ

初音ミクは、クリプトン・フューチャー・メディアが開発したバーチャルシンガーソフトウェアであり、その音楽コンテンツは多岐にわたります。本記事では、初音ミクの音楽関連の商品やコンテンツ、コラボレーションについて詳しく解説します。

音楽コンテンツと権利処理

初音ミクの登場は、音楽業界に大きな変革をもたらしました。多くのユーザーが初音ミクを用いた楽曲を動画サイトで発表し、その人気は瞬く間に広がりました。初音ミクのイラストや映像と音楽が一体となって展開される一方で、歌声のみの商用利用も可能であり、従来の音楽業界とは異なる権利処理が必要となりました。

ユーザーの権利と課題

ユーザーが楽曲を商品化する際、著作権をJASRACに委託することに対して、二次利用が難しくなるという懸念が生じました。しかし、ニコニコ動画がJASRACと包括契約を結んだことで、ニコニコ動画内での二次利用は可能となりました。それでも、ブログや動画外での利用については課題が残りました。

カラオケと著作権

カラオケでの利用については、JASRAC以外には利用料の徴収が難しいため、楽曲が普及しても作詞作曲者が著作権収入を得られない問題が発生しました。クリプトンはアンケートで、作家が自由に楽曲を利用でき、商用利用による著作権使用料を得られることを望んでいるという結果を得ました。

新しい権利処理の仕組み

この問題に対応するため、クリプトンやエクシング、ドワンゴ・ミュージックエンタテインメントが、楽曲の用途を限定して信託を請け負う音楽出版事業を開始しました。これにより、インターネットでの利用に関する権利を信託しないなど、柔軟な権利処理が可能になりました。クリプトンは、インタラクティブ配信をJRCに委託し、営利目的に限定した著作権使用料徴収という独自の仕組みを取り入れています。

デモソング

初音ミクの各バージョンには、その機能をデモンストレーションするための楽曲が収録されています。

初音ミク・アペンド

夜の虹 / whoo
shoelace / ドッP
影踏み / kous
私らしさ / k-shi
chocolat / chiquewa
ハニビー！ / もじょP

初音ミク V3シリーズ

Six Greetings (Short ver.) / きくお
Six Greetings (Long ver.) / きくお
ペイメント / Heavenz
Happy Rainy Day / 八王子P
Coming Together / bsc a.k.a kuni
Let The Music Speak / Dan Corches (Fid Rizz)
Shine for me / Cosima & Takaaki Suzuki
New world / Gramline a.k.a O.N.O
LET ME FLY / DAISHI DANCE

初音ミク V4シリーズ

figure. / sasakure.UK
僕が最期に創るプラネタリウム / アオトケイ
ヒアミー / tilt-six
ミュージックミュージック / とあ
Melody (English Version) / MJQ
Our Broken Anthem / Circus P

初音ミク V4 CHINESE

花与梦～keeping～ / PIPPO
失败作少女～失敗作少女～ / かいりきベア
初嵐～First Storm～ / DECO27

初音ミクNT

ミルククラウン・オン・ソーネチカ / ユジー
帝国少女 / R Sound Design
え？あぁ、そう。 / 蝶々P
青く駆けろ！ / まらしぃ

KarenTによる配信

クリプトンのレーベル「KarenT」は、初音ミクの音楽コンテンツを積極的に配信しています。このレーベルは、国内外の主要音楽ストアと提携しており、2013年時点でアメリカからのダウンロードが半数を占めていました。公式イベントのコンセプトCDも販売しており、2024年8月現在、約2000部のアルバム、35本のMV、6200曲が配信されています。

公募・コンテスト

クリプトン社は、初音ミクの楽曲公募企画を定期的に実施しています。これは、初音ミクだけでなく、他のピアプロキャラクターズも対象となる場合があります。

初音ミクの公式ライブ

「初音ミクマジカルミライ」では、一般クリエイターの楽曲コンテストを開催し、受賞曲がライブで披露されます。中国の公式ライブ「未来有你」でも、楽曲の募集が行われています。

初音ミクの公式ゲーム

「初音ミク Project DIVA」シリーズでは、ユーザー公募楽曲がゲームに使用されています。クリプトン社のモバイルコンテンツチームが制作するゲームでも、同様に楽曲が公募されています。

外部コラボ企画

Sweet Vacationとの共同企画では、楽曲素材を無料公開し、初音ミクや鏡音リン・レンによる実演を公募しました。また、映画「腐女子彼女。」の主題歌リミックスコンテストも開催され、初音ミクの楽曲素材が公開されました。

主な音楽CD

初音ミクの音楽CDは、イベント関連、ゲーム関連、クリエイター関連など多岐にわたります。特にクリエイター関連のCDでは、初音ミクの名前が明記されているものが多くあります。

イベント関連CD

「SNOW MIKU」や「マジカルミライ」など、イベントのコンセプトCDが発売されています。

ゲーム関連CD

「初音ミク Project DIVA」などのゲーム関連CDがリリースされています。

クリエイター関連CD

初音ミクが用いられているクリエイター関連のCDは多数存在します。2000年代から現在に至るまで、多くのクリエイターが初音ミクを用いた楽曲を発表しています。

その他の音楽CD

ゲームソフトの特典CDや、グッドスマイルカンパニーとMOERのコラボCDなど、初音ミク関連の様々な音楽CDが存在します。

ミュージック・ビデオ

初音ミクの楽曲には、ミュージック・ビデオが制作されており、YouTubeなどで公開されています。例として、「私たちの道」のMVが挙げられます。

ライブ・ビデオ

初音ミクのライブ映像も映像作品として販売されています。

楽器・音楽再生機器

YAMAHA × 初音ミク

YAMAHAは、初音ミクとコラボしたウェブキャスティングミキサーやモニタースピーカー、ギター、アンプなどを発売しています。また、VOCALOIDエンジンの応用商品であるボーカロイドキーボードも展開しています。

その他

歌うキーボードポケット・ミク（Gakken）: 初音ミクの音声データを使用した音楽ガジェット。
ウォークマン（ソニー）: 初音ミクのデザインを採用したウォークマン。
オタマトーン（明和電機）: 初音ミクとコラボしたオタマトーン。
初音ミク×ESP: 初音ミクモデルのギターやピック。

アーティストとのコラボ企画

初音ミクは、多くのアーティストとコラボレーションしています。

BUMP OF CHICKEN|BUMP_OF_CHICKEN

BUMP OF CHICKEN|BUMP_OF_CHICKENの楽曲「ray」に初音ミクがフィーチャリングされたコラボレーション曲「ray feat. HATSUNE MIKU」が配信されました。PVでは、クリプトン社が監修した新しいビジュアルの初音ミクが使用されています。

安室奈美恵

安室奈美恵のアルバム「_genic」に初音ミクとのコラボレーション曲「B Who I Want 2 B feat. U hum sneak it」が収録されました。ミュージックビデオでは、初音ミクと安室奈美恵が共演しています。

ビッグ・ボーイ

アウト・キャストのビッグ・ボーイの楽曲「Kill Jill」に初音ミクの音源がサンプリングされています。

One Hokkaido Project

NHK札幌放送局などの合同キャンペーンソングに初音ミクが参加しました。

Aqours

ラブライブ!サンシャイン!!のAqoursと初音ミクがコラボレーションした楽曲「BANZAI! digital trippers」が発売されました。アニメーションPVも制作されています。

カラオケ配信

初音ミクの楽曲は、カラオケでも人気を集めています。JOYSOUNDでは「みくみくにしてあげる♪」や「恋スルVOC@LOID」などが配信され、その後多数の曲が配信されています。2009年以降は、初音ミクの表記を付けるかどうかは作者側が選択できるようになりました。

JOYSOUNDではリアルタイムリクエストを通じて多くの楽曲が配信され、ランキングの上位にも登場しました。また、DAMもVOCALOID関連楽曲の配信を開始し、ピアプロとコラボした背景映像の募集も行いました。

まとめ

初音ミクの音楽コンテンツは、楽曲、ライブ、コラボレーション、関連商品など、多岐にわたります。その多様な展開は、音楽業界に新たな可能性を示しており、今後もさらなる発展が期待されます。

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