前田米蔵

前田 米蔵（まえだ よねぞう）

前田米蔵は1882年2月17日に和歌山県で生まれ、1954年3月18日に72歳で亡くなった、日本の著名な政党政治家です。彼は特に戦前の日本において重要な役割を果たし、衆議院議員としてのキャリアを通じて10回の当選を記録しました。特に戦前の総選挙では9回連続当選という栄誉を持っています。

人物背景

前田は和歌山県出身ですが、彼が活動した選挙区は旧東京府第6区であり、戦後は東京都第5区に該当します。若い頃は東京法学院（現在の中央大学）を卒業後、1903年に弁護士としてキャリアをスタートしました。弁護士業務を通じて、当時の政友会の政治家であった横田千之助と知り合ったことが、彼の政治活動への道を開くきっかけとなりました。1917年、立憲政友会から衆議院議員選挙に立候補し当選を果たしました。

政治家としての歩み

前田は1940年までの長い間、さまざまな役職を歴任しました。1925年には政友会の幹事長に就任し、続いて1927年に田中義一内閣で法制局長官となります。1931年には犬養内閣の商工大臣、1936年には廣田内閣の鉄道大臣に就任しました。1937年、政友会の総裁が辞任した際には、鳩山一郎らと共に総裁代行委員として政党の指導を行いました。彼は親軍派として知られ、同じく親軍派の中島知久平を支持して中島派を結成しました。

その後も、前田は政治活動を続け、1939年には平沼内閣にて鉄道大臣に就任しました。この年4月には中島派を発表し、政友会の分裂を引き起こしました。政党解消後、1940年には大政翼賛会議会局長として日本の戦時体制に寄与しました。

第二次世界大戦後は日本進歩党の結党に参加し、1946年には公職追放となりましたが、追放解除後の1952年に自由党から第25回衆議院議員選挙に立候補し当選しました。この時、旧政友会中島派の議員を集めて前田派を結成しました。だが、翌1953年の第26回衆議院議員選挙では選挙違反を起こし、落選する悲劇に見舞われました。

1954年、彼は不遇のうちに生涯を閉じ、72年間の生涯を遂げました。生前の業績は広く評価されており、彼の息子である前田嘉明は心理学者として知られています。

栄典と後の評価

1940年には紀元二千六百年祝典記念章を受章しました。彼の生涯と功績は、古川隆久の著書『政党政治家と近代日本―前田米蔵の軌跡』において詳しく論じられています。その他、多くの資料が後世に彼の業績を伝えています。

彼の政治活動は日本の政党政治の歴史を知る上で欠かせない要素であり、今なおその影響は政治界に残っています。

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