劉仁軌

劉仁軌の生涯と功績

劉仁軌（リュウジンキ）は、602年に生まれ、685年に亡くなった中国の唐代の軍人です。本名の他に、字（あざな）として正則を持ち、汴州尉氏県出身であります。

若き日々と唐の成立前

彼の誕生は隋の仁寿2年に遡ります。若き頃は貧しい家庭に育ちましたが、学問に対する関心を抱いていました。唐が建国されると、彼は武徳年間に息州の参軍としてキャリアをスタートさせ、その後、陳倉県の尉に任命されました。

早期の職務と問題

劉仁軌は、当時の折衝都尉である魯寧がその権力を乱用しているのを目の当たりにし、ついには彼を鞭打って殺してしまいます。この行動によって、彼は太宗に詰問されますが、「私が辱められたための行動でした」と正直に答え、その勇気が評価されて咸陽県丞に昇進します。
その後、給事中に昇格しますが、権力を持つ李義府に恨まれ、青州刺史に左遷されることとなります。

軍人としての活躍

顕慶5年、62歳の時、劉仁軌は遼東での征伐において、漕運に失敗の罪を着せられ、一兵卒に降格されるという厳しい時期を過ごします。この際、彼の部下である劉仁願が百済の義慈王を捕らえ百済を滅ぼす功績を挙げますが、翌年には百済の残党と倭の援軍が攻撃し、再び劉仁願が窮地に立たされることとなります。
ここで劉仁軌は自発的に検校帯方州刺史に任命され、援軍として出向きます。

白村江の戦い

龍朔3年（663年）には、倭の水軍に対抗するため白村江で指揮を取り、400隻以上の軍船を破壊し、大勝を収めます。この戦いは彼の名声を高め、続いて百済の旧地を平定し、治安を整えるための屯田政策を実施しています。

地位の上昇と功績

麟徳2年には、高宗が泰山での封禅に際し、彼は新羅や百済、耽羅、倭などの首領を率いて参加し、また大司憲に昇進、さらには右相兼検校太子左中護に任命されます。総章元年には熊津道安撫大使として、李勣と共に高句麗を征服し、金紫光禄大夫に叙任されます。

上元元年には鶏林道大総管に任命され、新羅の文武王との戦いにおいて大勝。2年後には左僕射に昇進し、朝政に参画します。

最後の年と死去

光宅元年（684年）には楽城郡公に封ぜられ、685年、彼は文昌左相同鳳閣鴛台三品としての在職中に84年の生涯を閉じました。死後、開府儀同三司と并州大都督の位を贈られ、高宗の陵墓である乾陵に陪葬されました。

家族

劉仁軌には、劉滔と劉濬という二人の子がありました。
彼の人生は多くの戦を経て、唐の発展に寄与した優れた軍人の一人として記憶されています。彼の物語は、勇気と誠実さ、また時代の波に翻弄されながらも貢献を続けた男の歴史です。

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