劉易

劉易（りゅう えき）

劉易は、中国五胡十六国時代の漢（後の前趙）の皇族で、劉聡の庶長子として生まれました。生年は不明で、316年に亡くなっています。河間王に封じられました。

生涯

劉易は劉聡の長男でしたが、庶子であったため、異母弟の劉粲が太子に立てられました。310年7月、父の劉聡が伯父の劉和を殺害して即位すると、劉易は河間王に封じられました。翌年には太尉に任命されています。

312年には、弟の劉粲や族父の劉曜と共に、鮮卑拓跋部の拓跋猗盧と結んだ西晋の劉琨を討伐するため、その本拠地である晋陽を攻撃し、陥落させました。この戦いで劉琨の両親を殺害するという功績を挙げ、太宰に任じられました。

313年3月、劉聡が皇后の劉娥のために皇儀殿を建造しようとした際、廷尉の陳元達が強く諫めました。劉聡は激怒し、陳元達一族を処刑しようとしましたが、劉易は大司徒の任顗、光禄大夫の朱紀、范隆と共に、額から血を流すほど叩頭して劉聡を諫めました。劉易らは陳元達が先帝に仕えた重臣であり、忠義を尽くしていることを訴え、処刑を思いとどまるよう懇願しました。皇后の劉娥も自ら書状を書いて劉聡を諫めたため、劉聡はついに陳元達の処刑を撤回し、謝罪しました。

316年2月、劉聡が腹心である宦官の王沈を中常侍に任命し重用したことに対し、劉易は御史大夫の陳元達、大将軍の劉敷、金紫光禄大夫の王延らと共に参内し、劉聡を諫めました。劉易らは、歴史上の事例を挙げながら、宦官の政治介入が国を滅ぼす原因となることを説き、王沈の解任を求めました。しかし、劉聡はこれを聞き入れず、逆に王沈を評価しました。太子の劉粲も王沈を擁護したため、劉聡は王沈を列侯に封じました。

劉易はこれに納得せず、陳元達と共に王沈を糾弾し、後日、王沈の列侯の爵位を剥奪することを認める書簡を持参して、父帝に奏上しました。しかし、劉聡は激怒してその書簡を引き破りました。

316年3月、劉易は父の行為に憤慨し、悶え苦しんだ末に亡くなりました。劉易は忠義心に厚い人物であり、陳元達が劉聡に諫言する際にはいつも助けとなっていました。劉易の死を聞いた陳元達は慟哭し、自邸で自害しました。

劉易の死は、多くの人々に惜しまれました。彼の忠義心と正義感は、後世にまで語り継がれています。

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