劉松山

劉松山（りゅう しょうざん、Liú Sōngshān、1833年 - 1870年）は、清朝末期の軍人であり、字を寿卿と称しました。湖南省湘郷県の出身で、その生涯は動乱の時代における戦いと功績に彩られています。

劉松山は、曽国藩が組織した郷勇部隊である湘軍に参加し、王錱の部下としてその軍歴をスタートさせました。当初、彼は永州、郴州、株洲といった地域で天地会の反乱を鎮圧する任務に当たり、その功績が認められて千総に任命されました。その後、彼は太平天国の乱における重要な戦線へと投入されることになります。

1857年以降、劉松山は太平天国軍との激戦を繰り広げました。江西省から安徽省へと転戦し、祁門の防衛や景徳鎮の攻略、寧国の防衛などで目覚ましい活躍を見せ、その武勇と指揮能力は高く評価されました。彼の戦場での活躍は、守備、都司、参将といった昇進を重ねる結果となり、湘軍を率いる曽国藩配下の猛将としてその名を轟かせるようになりました。

1865年には、劉松山は総兵に昇進し、捻軍の鎮圧に乗り出します。河南省で捻軍を破る戦功を挙げましたが、捻軍は張宗禹率いる西捻軍が陝西省に転進し、回民蜂起軍と合流する事態となりました。これに対し、劉松山は西捻軍を追撃し、激戦を繰り広げます。

1867年には広東陸路提督に任命され、西捻軍と回民軍が西安を包囲する緊急事態が発生すると、彼は救援に駆けつけ、その包囲を解くことに成功しました。その後も、西捻軍が北京を目指して進軍すると、彼はこれを追撃し、河南省や直隷省（現在の河北省）で激しい戦闘を繰り広げました。

捻軍は張宗禹の死によって事実上平定されましたが、劉松山の戦いは終わりませんでした。彼は再び陝西省に戻り、陝甘総督の左宗棠のもとで、回民蜂起の鎮圧に当たることになりました。綏徳周辺を鎮圧した後、甘粛省に入り、霊州を陥落させるなどの戦功を挙げました。そして、回民蜂起の指導者である馬化龍が拠点としていた金積堡を包囲しましたが、その最中に砲弾に当たり、壮絶な戦死を遂げました。

劉松山の死後、その功績を称え、太子少保の官位と忠壮という諡号が贈られました。彼の部隊は、甥である劉錦棠が引き継ぎ、その遺志を受け継いで戦い続けました。

劉松山の生涯は、動乱の清朝末期において、軍人として卓越した才能を発揮し、数々の戦いを勇敢に戦い抜いた人物として、歴史に名を刻んでいます。彼の勇猛さと忠誠心は、後世に語り継がれるべきものでしょう。

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