劉郁芬

劉郁芬の生涯と業績

劉郁芬（りゅう いくふん）は中華民国において重要な軍人として名を馳せた。彼は北京政府、国民軍、さらには南京国民政府に属し、そのキャリアを通じて多くの歴史的な出来事に関与した。劉郁芬は「五虎将」と呼ばれる馮玉祥の指揮下で活動を行い、彼の字は蘭江であった。

初期の経歴

劉郁芬は保定速成学校を卒業後、雲南省に移り住み、中国同盟会に加入した。この国民運動に参加したことで、彼は徐々に政治と軍事の世界で顔を知られるようになる。辛亥革命が起こった後、彼は北京に戻り、陸軍軍事学校で職に就くことになった。この頃から彼の軍事キャリアが本格的に始まった。彼は陸軍第10混成旅の参謀長を経て、第11師の参謀長及び第22旅の旅長としても活躍した。

国民軍時代

1924年、劉郁芬は馮玉祥が組織した国民軍に加わり、第2師の師長に任命された。この任務を通じて、彼は甘粛地方の軍事指導者としての地歩を固めた。1925年には甘粛軍務督弁代理に選任され、1926年に馮玉祥が五原で誓師を行った際には甘粛督弁に任命される。この際の役割は重要であり、中国国民党による北伐の際には第7方面軍の総指揮を任されるなど、実力を見せつけた。

内戦と下野

1929年、馮玉祥と蔣介石の内戦が勃発すると、劉郁芬は第3路軍の総指揮及び第2軍団の司令官として指揮を執ることになる。しかし、1930年の中原大戦では劉郁芬の後方総司令としての役割に限られ、最終的には馮玉祥の敗北に伴い、彼自身も政界から退くことを余儀なくされた。

復帰と再びの引退

1931年には政治活動に復帰し、冀察政務委員会の委員として活動したが、1933年には再度引退し、北平に住むこととなる。この期間、劉郁芬は政治的な活動よりも静かな生活を選び、多くの時を過ごした。

南京国民政府時代

1939年8月、劉郁芬は汪兆銘に加わり、中国国民党第6期の執行委員として選出される。1940年3月、汪兆銘政権下で南京国民政府が成立すると、彼は駐開封綏靖主任として特派され、軍事委員会の総参謀長に任命される。彼の活動はこの時期においても続き、さらなる影響力を持つこととなった。

最後の日々

劉郁芬は1943年4月2日に北平で病気により亡くなった。その享年は58歳であり、彼の生涯は中華民国の軍事と政治において非常に重要な役割を果たしたしたことを明らかにしている。彼の業績はその後の中国史においても反響を呼び、多くの人々に影響を与え続けている。

参考文献

1. 来新夏ほか『北洋軍閥史 下冊』南開大学出版社、2000年。
2. 徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年。
3. 劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年。

もう一度検索