劔神社

劔神社

福井県丹生郡越前町織田に鎮座する劔神社は、越前国二宮として古くから崇敬を集める神社です。別名「織田明神」とも呼ばれ、織田信長との深い関わりも有名です。現在では神社本庁の別表神社に指定されています。

祭神

主祭神は素盞嗚尊（すさのおのみこと）です。気比大神（けひのおおかみ）と忍熊王（おしくまおう）が配祀されています。

歴史

社伝によれば、神社の創建は、垂仁天皇の皇子、五十瓊敷入彦命（いかつきのいるひこのみこと）が作らせた神剣に由来します。神功皇后摂政時代に、仲哀天皇の皇子である忍熊王がその神剣を受け継ぎ、高志国の賊徒討伐に成功。その後、伊部臣が伊部郷座ヶ岳に祀られていた素盞嗚尊の神霊を現在地へ勧請し、神剣を御霊代として祀ったのが始まりと伝えられています。忍熊王はその後もこの地を開拓したことから、開拓の祖神として、父である仲哀天皇（気比大神）とともに配祀されました。

古くは奈良時代、神護景雲4年（770年）には神宮寺が存在していたことが、社蔵の国宝梵鐘の銘文から確認できます。国史には、宝亀2年（771年）に劔神に食封が与えられた記録や、天安3年（859年）の神階昇叙の記述が残されています。『新抄格勅符抄』には、大同元年（806年）当時の劔御子神に充てられた神戸の戸数が記載されています。『延喜式神名帳』には越前国敦賀郡に「劔神社」として記載されており、式内社に列せられています。ただし、敦賀市莇生野の劔神社に比定する説もあります。

中世以降は、斯波氏、朝倉氏、織田氏といった歴代の領主から崇敬と保護を受けました。特に織田信長は、当社の神官の子孫とされ、織田家の氏神として崇められました。柴田勝家の書状にもそのことが記されています。尾張織田家は越前織田荘出身であり、越前守護斯波氏の被官であった織田信昌・将広父子は、明徳4年（1393年）に神社の修理再興を行い、課役免除を誓約しています。江戸時代には福井藩、大野藩からの崇敬を受け、幕末には伏見宮家の祈願所にもなりました。昭和3年には国幣小社に列格し、第二次世界大戦後は神社本庁の別表神社となりました。

神階

宝亀2年（771年）10月16日時点：従四位下勲六等（『続日本紀』）
天安3年（859年）1月27日：正四位下勲六等（『日本三代実録』）

文化財

劔神社には、多くの貴重な文化財が伝承されています。

国宝

梵鐘: 奈良時代の作で、「劔御子寺鐘 神護景雲四年九月十一日」の銘が刻まれています。道鏡の失脚に関連する伝承も残されています。現在、越前町織田文化歴史館に寄託されています。

重要文化財

絹本著色八相涅槃図（附 紙本墨書涅槃講式（断簡）1巻）: 鎌倉時代中期の作品で、奈良国立博物館に寄託されています。

福井県指定文化財

本殿（江戸時代）
摂社織田神社本殿（室町時代）
不動明王三尊像 3幅（南北朝時代）
密教法具金銅盤（平安時代）
劔神社文書（室町時代～明治時代）

越前町指定文化財

旧神前院護摩堂（江戸時代）
神輿 1対（江戸時代中期）
獅子頭（江戸時代初期）

その他にも、織田信長、徳川家康、柴田勝家の書状や古文書などが残されています。

境内

（境内については、記述が不足しているため、詳細な説明はできません。）

関連図書

安津素彦・梅田義彦編集兼監修者『神道辞典』神社新報社、1968年
白井永二・土岐昌訓編集『神社辞典』東京堂出版、1979年

関連項目

織田荘

外部リンク

劔神社 - 公式サイト
* 剣神社 - 國學院大學21世紀COEプログラム「神道・神社史料集成」

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