力士養成員

力士養成員について

力士養成員（りきしようせいいん）は、大[[相撲]]における段階の一つで、幕下以下の力士たちを指します。具体的には、幕下、三段目、序二段、序ノ口の力士が該当します。この立場の力士は一般的に「取的」や「褌担ぎ」と呼ばれることもありますが、特に序二段や序ノ口に属する力士に向けて取的という言葉が多く使われています。近年では「若い衆」という呼び名が一般化してきていますが、「褌担ぎ」という呼び名は少しずつ使われなくなっています。

力士養成員の取組は、本場所において2日おきに行われ、原則として七番相撲までの参加が求められます。しかし、まれに八番[[相撲]]が組まれることもあり、これは人数の関係から発生します。取組の組み方は基本的にスイス式トーナメント方式が採用されており、番付や成績に基づいて対戦相手が決定されます。ただし、同成績者が奇数の場合や、特定の条件下では例外的な対戦が組まれることもあります。

番付の変動については、関取（かんとり）と比較して非常に重みがあります。特に下位の力士では、勝ち越しや負け越しに伴う番付の変動が著しく、幕下上位で勝利すれば上昇幅は勝ち越し点の2倍に達することもあります。三段目や序二段では、勝ち越し・負け越し1点につき10枚以上の上下があり、番付が急速に変化することが特徴です。例えば、東幕下筆頭で勝ち越した場合、次の場所での十両昇進がほぼ確実となります。さらに、7戦全勝の力士に関しても昇進の可能性があります。

力士養成員の髷は、主に丁髷スタイルですが、特定のイベントや取組時には大銀杏を結うことが許される場合もあります。また、彼らが締める廻しは通常、黒色の木綿製であり、稽古用としても使用されます。取り組みにおいて塩撒きは基本的に行われませんが、必要に応じて行われることもあります。力士養成員の正装は着流しであり、三段目以上の力士には羽織の着用が可能です。

私生活において、養成員は関取とは厳格に区別され、ハングリー精神を育むために大部屋生活や雑用を強いられます。結婚は許可されず、生活のほとんどが相撲に関連しています。力士養成員は基本的に無給ですが、場所手当や奨励金が支給されます。これは関取の給与と比較すると、かなり少なく抑えられています。養成員に対する敬称は一般的に「○○さん」で、サインをすることもできないという不文律があります。

このように、力士養成員は番付の上昇が難しく、関取になることで初めて多くの特権が与えられます。一方で、彼らは社会保険の恩恵を受けられる立場が保障されており、健康保険や厚生年金に加入されています。引退を強制されることはないため、40歳を超える養成員も少なくありません。長期療養を余儀なくされた力士が、引退せずに協会に籍を置いたまま在位する事例も見られ、社会保険の重要性が浮き彫りになっています。

このように、力士養成員は相撲の世界における重要な存在として、厳しい環境の中で成長を続けています。

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