加古川町

加古川町（かこがわちょう）

加古川町は、兵庫県加古川市の行政や交通、商業の中心を担う地域です。市のほぼ中央に位置し、JR神戸線と加古川線の結節点である加古川駅や、加古川市役所が置かれています。これらの主要施設周辺には、官公庁や商業施設が集積しており、活気あふれる市街地を形成しています。一方で、幹線道路から一歩入ると、閑静な住宅街が広がり、落ち着いた住環境を提供しています。現在の加古川町は、かつて独立した自治体であった加古郡加古川町を前身とし、その後の変遷を経て合計16の大字（ちょう）によって構成されています。

地理

当地域は、加古川市の西側を流れる一級河川「加古川」と、南側を流れる「別府川」に挟まれた肥沃な平野部に広がっています。西側は加古川を自然の境界として、米田町や東神吉町、さらには高砂市と接しています。北西部は平荘町、北東部は神野町、東側は野口町、そして南部は尾上町と隣接しており、加古川市の各方面と緊密に結びついています。

歴史

加古川町の歴史は、地域の中核としての役割と共に歩んできました。近代に入り、1889年（明治22年）4月1日の町村制施行により、それまでの印南郡加古川町、加古郡寺家町、篠原村が合併し、新たに加古郡加古川町が発足しました。この時、本町、寺家町、篠原の3つの大字が編成されています（後に篠原は大字篠原町に改称）。地域産業の発展としては、1899年（明治32年）に日本毛織加古川工場が操業を開始し、地域の経済に大きな影響を与えました。

町域は段階的に拡大していきます。1929年（昭和4年）3月には鳩里村を編入し、旧鳩里村の8つの大字が加わりました。さらに1937年（昭和12年）3月には氷丘村を編入し、旧氷丘村の5つの大字を引き継ぎました。これらの合併により、現在の16大字体制の基礎が築かれます。戦後の1950年（昭和25年）6月15日には、加古川町が周辺の尾上村、神野村、野口村、平岡村と合併し、加古川市が誕生しました。これにより、旧加古川町は加古川市の一部となり、「加古川市加古川町」という地域名になりました。

市制施行後も地域は発展を続け、都市基盤の整備が進められました。1960年代末から1970年代にかけて主要道路の一部で一方通行化が実施されるなど、交通環境の改善が図られました。商業施設としては、1984年（昭和59年）にニッケパークタウンが、1989年（平成元年）にはベルデモール加古川が相次いで開業し、地域の商業拠点としての地位を確立しました。近年では、2005年（平成17年）3月にはJR加古川駅が高架化され、利便性と都市景観の向上が実現しています。

交通

加古川町は、鉄道と道路の両面で交通の要衝となっています。鉄道網では、JR西日本の山陽本線（JR神戸線）と加古川線が乗り入れる加古川駅が中心的な役割を担い、日岡駅も町域内に位置しています。ただし、山陽新幹線は地域内を通過するのみで駅はありません。バス路線については、神姫バスとかこバスが運行しており、地域内の移動や周辺地域へのアクセス手段として利用されています。道路網も整備されており、東西を結ぶ主要幹線である国道2号や国道250号、さらに加古川バイパスや明姫幹線が地域を横断しています。このほか、複数の県道が町内を結んでおり、広範な交通ネットワークを形成しています。

主要施設

地域内には、歴史的建造物や公共施設、教育機関などが充実しています。

主な寺社

鶴林寺（国宝指定建造物あり）
称名寺（加古川城跡）
福田寺
常住寺
光念寺
粟津天神社
泊神社

教育機関

高等学校: 兵庫県立加古川西高等学校、兵庫県立加古川東高等学校、兵庫県立加古川南高等学校
中学校: 加古川市立加古川中学校、加古川市立氷丘中学校
小学校: 加古川市立加古川小学校、加古川市立氷丘小学校、加古川市立氷丘南小学校、加古川市立鳩里小学校
幼稚園: 加古川市立加古川幼稚園、加古川市立鳩里幼稚園、加古川市立氷丘幼稚園、加古川市立氷丘南幼稚園

官公庁・公共施設

加古川簡易裁判所
加古川市消防本部
東播磨県民局

郵便局

加古川郵便局
加古川備後郵便局
加古川西本町郵便局
加古川木村郵便局
* 加古川駅前郵便局

これらの施設は、加古川町が加古川市の中心地域として持つ多様な機能の一端を示しています。

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