加藤正義

加藤正義 (かとう まさよし)

プロフィール

加藤正義は、嘉永7年2月23日（1854年3月21日）に伯耆国日野郡渡村（現在の鳥取県日野郡日野町別所）の農家に生まれました。幼名は源太郎といい、後に日本の実業家、政治家として名を馳せました。特に日本郵船の副社長としての活躍が知られています。また、元中央大学総長・東京大学名誉教授の加藤正治の養父（岳父）としても知られています。

生い立ちと初期のキャリア

加藤正義は、加藤良吉の二男として誕生しました。7歳から寺子屋に通い、12歳になると根雨の大庄屋、近藤喜八郎のもとで奉公に出されました。その後、1873年に鳥取県庁に入庁し、山形県庁、兵庫県庁と官僚としてのキャリアを積み重ねました。

日本郵船での活躍

1885年、兵庫県令の森岡昌純が農商務少輔に転出すると、その推薦により加藤正義は農商務権少書記官に就任しました。当時、過当競争により産業発展が阻害されていた三菱汽船と共同汽船の合併を推進し、日本郵船の創立に大きく貢献しました。1886年には官を辞して日本郵船に入社し、1893年に取締役、2年後には副社長に昇進しました。

政治家としての活動

1914年、加藤正義は東京市会議員に選出され、同年7月には市会議長に就任しました。1920年3月に職を辞するまで、市政に参画し、東京の発展に尽力しました。また、扶桑海上保険社長、帝国海事協会、日本海員掖済会理事、東洋拓殖会社創立委員、東京湾築港協会委員など、海運業界の発展にも大きく貢献しました。さらに、法典調査員、東京商工会議所特別議員など、各界の委員としてもその能力を発揮しました。

死去と栄典

加藤正義は1923年12月24日に死去しました。その功績を称えられ、特旨をもって従四位に叙せられ、勲二等旭日重光章を授与されました。

家族

妻は、姫路藩士・武井正平の長女である菊枝です。長女のすみは、加藤正治の妻となりました。『鳥取県百傑伝』によれば、元文部大臣の奥田義人博士の夫人は、菊枝の妹である八重子であり、鳥取県知事を務めた武井守正は、夫人の伯父にあたる人物です。

参考文献

『鳥取県百傑伝』（1970年）
『鳥取県大百科事典』（1984年）

関連項目

日本郵船
奥田義人
近藤喜八郎
武井守正

外部リンク

* とっとりデジタルコレクション--加藤正義

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