勝沼ぶどう郷駅

勝沼ぶどう郷駅：歴史と自然が織りなす山梨の駅

勝沼ぶどう郷駅は、山梨県甲州市勝沼町菱山に位置するJR東日本中央本線沿線の駅です。駅番号はCO36。甲府盆地の入り口にあたり、周囲はぶどう畑が広がる景勝地として知られています。

開業から現在まで

この駅の歴史は古く、1913年（大正2年）、大日影信号場として誕生しました。同年4月8日には「勝沼駅」として駅に昇格し、旅客・貨物の取扱いを開始。当時は急勾配を避けるため、スイッチバック方式の駅でした。列車は駅の手前で本線から分岐し、スイッチバックで駅に入り、発車する際に再びスイッチバックしていました。この珍しい方式は、1968年（昭和43年）に中央本線の複線化に伴い廃止されました。

1993年（平成5年）には、地域の名産品であるぶどうを冠した現在の駅名「勝沼ぶどう郷駅」に改称されました。この改称は、地名と名物を組み合わせた駅名という点で、JR東日本の駅名付けの先駆けとなりました。その後、駅舎の改築（1980年）、「Suica」の導入（2004年）、指定席券売機の設置（2015年）など、時代の変化と共に進化を遂げてきました。1998年には「関東の駅百選」にも選定されています。選定理由は「四季折々の季節の中で勝沼の町のシンボルとなるぶどうの丘を望む駅」です。

駅舎と周辺環境

勝沼ぶどう郷駅は、島式ホーム1面2線を有する地上駅です。ホームは駅舎よりも高い位置にあり、駅舎2階から階段と小さな橋でつながる構造となっています。駅舎は1980年に建てられた2階建てで、コンコース、駅事務室、待合所のほか、観光案内所を兼ねたコーヒー店や市営ワインショップが併設されています。甲州ワインの販売も行われているため、観光客にも人気です。

駅舎周辺には約600本の桜が植えられた「甚六桜公園」があり、春には美しい桜並木を楽しむことができます。線路が高架になっているため、電車からも桜並木を眺めることができます。また、駅周辺は崖状になっており、駅舎から勝沼の町や甲府盆地、晴れた日には南アルプスまで見渡せる絶景ポイントです。駅周辺には鉄道遺産記念公園があり、国鉄EF64形電気機関車18号機が静態保存されています。

交通アクセス

駅周辺には甲州市市民バスと富士急バスが発着しています。富士急バスは、季節限定の勝沼周遊バスも運行しています。

利用状況

2023年度の1日平均乗車人員は約308人です。近年は観光客の増加に伴い、利用客数も増加傾向にあります。

特急停車

特急「あずさ」や「かいじ」の一部列車が、主に3月から11月の観光シーズンに停車します。

隣の駅

甲斐大和駅
塩山駅

勝沼ぶどう郷駅は、歴史と自然、そして地域の活性化が融合した魅力的な駅です。山梨を訪れた際には、ぜひ訪れてみてください。

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