勝部義夫

勝部義夫：映画界を彩った名バイプレイヤー

勝部義夫（かつべ よしお、1934年3月19日 - 2023年5月）は、島根県大田市波根町出身の日本の俳優です。日本大学芸術学部映画科を卒業後、そのキャリアは多岐にわたり、映画、テレビドラマ、舞台と幅広く活躍しました。

俳優としての軌跡

1953年、大学入学と同時に帝国劇場の研究生となり、翌年には正式な劇団員となった勝部義夫。1955年には東宝と専属契約を結び、1956年公開の映画『白夫人の妖恋』で映画デビューを果たします。その後、数多くの作品にバイプレイヤーとして出演し、その数は合計327本に及びます。特撮映画にも数多く出演しており、『ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]』では「決定打的な役はないが、常に何らかのかたちで画面に登場してくる不思議な俳優」と評されています。テレビドラマでも『ウルトラセブン』のウエノ隊員役など、印象的な役柄を演じました。特に特撮作品では、記者役や通信担当の軍人役が多く、その存在感は際立っていました。

俳優引退後の活動

1976年、『大空のサムライ』を最後に俳優を引退し、家業を継ぐために故郷の島根県へ帰郷。その後は、地元島根県の観光学会の理事などを務める傍ら、1992年にはしまね映画祭を設立し、実行委員会事務局の実行委員長として映画祭の運営に尽力しました。これらの地域文化振興への貢献が認められ、2010年には島根県から第49回文化賞を授与されました。

主な出演作品

映画

白夫人の妖恋（1956年）
空の大怪獣 ラドン（1956年）
地球防衛軍（1957年）
美女と液体人間（1958年）
電送人間（1960年）
ガス人間第1号（1960年）
マタンゴ（1963年）
キングコング対ゴジラ（1962年）
モスラ対ゴジラ（1964年）
怪獣大戦争（1965年）
ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘（1966年）
怪獣総進撃（1968年）
ゴジラ対ヘドラ（1971年）
メカゴジラの逆襲（1975年）
太平洋の翼（1963年）
海底軍艦（1963年）
フランケンシュタイン対地底怪獣（1965年）
フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ（1966年）
緯度0大作戦（1969年）
ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣（1970年）
日本海大海戦（1969年）
激動の昭和史 沖縄決戦（1971年）
東京湾炎上（1975年）
大空のサムライ（1976年）

テレビドラマ

ウルトラQ
ウルトラマン
ウルトラセブン
帰ってきたウルトラマン
マイティジャック
怪奇大作戦
流星人間ゾーン
太陽にほえろ!
スーパーロボット レッドバロン
ダイヤモンド・アイ
日本沈没
スーパーロボット マッハバロン

その生涯

2023年5月、勝部義夫は89歳で生涯を閉じました。彼の多岐にわたる活動は、映画史にその名を刻み、多くの人々に記憶されることでしょう。映画界への貢献はもとより、地元島根県の文化振興に尽力した功績は、今後も語り継がれていくはずです。

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