勧修寺晴子

勧修寺 晴子

勧修寺 晴子（かじゅうじ はるこ、1553年 - 1620年）は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて生きた女性である。彼女は誠仁親王の女房であり、後陽成天皇の生母として歴史に名を刻んだ。

家族・背景

晴子の父は勧修寺晴右で、母は従三位の粟屋元子である。粟屋元子は武家の名門である甲斐源氏安田氏の一族に生まれ、その血を引く名門の家系に育った。彼女には姉妹が数人おり、勧修寺晴豊や万里小路充房、正親町三条公仲室などがいた。また、彼女の子どもには後陽成天皇や空性法親王、良恕法親王、八条宮智仁親王、永卲女王など、計6男3女がいる。そのため、彼女の果たした役割は宮廷において非常に重要なものであった。

生涯の歩み

永禄10年（1567年）、晴子は誠仁親王に女房として仕官し、その名は「阿茶局」と呼ばれた。実際には妃としての立場に近く、親王との関係は非常に特別なものであった。天正14年（1586年）11月には、彼女の子である後陽成天皇が即位し、晴子は国母として特別に扱われることとなった。これにより、他の女房たちとは明らかに異なる地位を占めることとなり、その翌年の11月20日には准三宮に就任した。

その後、晴子は慶長5年12月29日（1601年1月23日）に院号宣下を受け、女院となり「新上東門院」と名乗ることとなる。彼女の地位は高まり、宮中における影響力も増していった。晴子は68歳で薨去し、元和6年2月18日（1620年3月21日）に京都府京都市東山区の泉涌寺内にある月輪陵に葬られた。

文化的な影響

晴子の生涯は多くの作品に影響を与えており、小説やテレビドラマに登場することがある。特に、安部龍太郎の小説『信長燃ゆ』（2001年）や、2016年に放送されたテレビドラマ『信長燃ゆ』では、栗山千明が彼女を演じている。

彼女は、当時の日本において非常に大きな役割を果たした女性であり、後世にわたってその名は語り継がれている。歴史における彼女の存在は、単なる皇族の一員としてではなく、国母としての権威と影響を持つ人物として重要である。

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