北条氏舜

北条氏舜（ほうじょう うじとし/うじきよ）

北条氏舜は、日本の戦国時代における武将であり、「左衛門大夫」と称された人物です。彼は北条氏繁の子であり、母は北条氏康の娘である七曲殿とされています。また、兄弟には北条氏勝がいます。氏舜は、天正5年（1577年）に父・氏繁から家督を受け継ぎ、その後武士としての道を歩み始めました。

氏舜が家督を譲られたのは、父が病に伏せる中、主君である北条氏政と共に出陣し、鬼怒川において佐竹義重、宇都宮広綱、那須資晴との合戦に参加した時期です。彼は戦場でも重要な役割を果たしており、これによって氏の名を高めることに貢献しました。

その後、天正6年（1578年）には、陸奥の小峰義親に宛てた書状を残しており、彼の政治的活動や人脈形成もうかがえます。さらに、天正8年（1580年）には武蔵国の岩付城の城代を務めていましたが、その後北条氏房が岩付城主となると、彼は玉縄城の城主に任命されました。

玉縄城主に就任すると、氏舜は相模国東郡での狩猟に関する規制を強化し、特に鳥を射ることや捕獲することを禁じる法度を設けました。これは、玉縄北条氏が伝統的な行事である放生会の文化を支配地域に根付かせる意図があったと考えられています。この伝統は鎌倉時代から続き、地域の人々に受け継がれてきたものです。

しかし、氏舜の家督の継承に関しては当初から多くの謎に包まれていました。近年の研究により、氏繁の死後に氏舜が家督を引き継いだことが確認され、彼の弟である氏勝が引き継いだとされていた従来の説が覆りました。これに関する文書は、佐藤博信によれば7通が現存しているとのことです。

また、氏舜に関する文学作品として、伊東潤による小説『戦国鎌倉悲譚 剋』があります。これは、彼の生涯や戦国時代における彼の役割を題材にしたものとされています。

北条氏舜は、戦国時代の複雑な情勢の中で家族や地域と密接に結びつきながら、伝統を守り続ける努力をした武将であり、彼の行動や選択はその後の北条氏に影響を与えました。氏舜の跡を継ぐことになった氏勝とともに、北条氏はさらなる展開を迎えることとなります。

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