北条高政

北条高政の生涯と戦歴

北条高政（ほうじょう たかまさ）は、鎌倉時代末期の北条氏における重要な人物です。父は北条政顕で、彼自身は肥後国の守護を務めました。また、赤橋流北条氏の執権である北条守時の弟であり、北条英時の養子でもあります。地域的には豊前国規矩郡、現在の福岡県北九州市を領有していたため、しばしば「規矩高政」とも呼ばれました。

初期の活動

高政は肥後守護として九州での任務に従事していましたが、元弘3年（1333年）3月13日、博多にあった鎮西探題館が宮方の武士、菊池武時によって襲撃される事件が発生しました。この博多合戦で彼は迅速に行動し、2日後には探題館に駆けつけ、さらに肥後国の地頭や御家人を率いて反撃に出ました。その結果、彼は3月下旬に菊池氏および阿蘇氏の拠点である鞍岡城を攻め落とすことに成功します。

鎌倉幕府の崩壊とその影響

しかし、同時期に六波羅探題や鎌倉幕府の崩壊のニュースが伝わると、事態は急変しました。北条氏一門が滅亡するという報告が入り、これにより少弐氏や大友氏も宮方に流れ、5月には鎮西探題が終わりを迎えました。その混乱のなかで、英時は自害する道を選ばざるを得なくなりました。高政は英時の養子でありながら、弟の糸田貞義と共に陰に隠れることを余儀なくされました。

高政の反乱

建武元年（1334年）1月、高政は豊前田川郡糸田庄において、実弟・糸田貞義と共に再び事を起こしました。北九州における北条氏の残党を集結させ、大規模な反乱を引き起こしました。彼は豊前規矩郡の帆柱山城に拠点を置き、筑前や豊前の北条残党を集めて抵抗を続けましたが、同時に大友氏や少弐氏を中心とした鎮圧軍に対して7ヶ月にわたる苦しい戦いを強いられました。最終的には鎮圧され、７月には高政の抵抗運動は終焉を迎えました（これを規矩・糸田の乱と呼びます）。

謎に包まれた最後

以降、高政に関する記録は途絶え、彼の没年については不明となっています。しかし、当時の状況から推測するに、この時期には各地で北条残党の抵抗が続いており、北条一族の殲滅が進んでいたため、高政もまた殺害された可能性が高いと考えられています。歴史の流れの中で、彼の存在は大きな影響を与えたと言えるでしょう。

参考文献

• - 永井晋『金沢貞顕』〈人物叢書〉吉川弘文館、2003年。
• - 永井晋 『金沢北条氏の研究』（八木書店、2006年）

関連項目

• - 規矩・糸田の乱

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