北松戸駅

北松戸駅（きたまつどえき）

千葉県松戸市上本郷に所在する、東日本旅客鉄道（JR東日本）常磐線の駅です。常磐線の中でも各駅停車（常磐緩行線）の列車が停車し、駅番号はJL 23が付与されています。この駅は、松戸市の上本郷地域に位置しており、特に松戸競輪場や北松戸工業団地への最寄り駅として、地域経済や人々の移動を支える重要な役割を果たしています。

駅の歴史

北松戸駅の歴史は、1952年（昭和27年）5月1日に始まります。当初は、松戸競輪場の開催日に限り営業する仮停車場として日本国有鉄道によって設置されました。その後、利用者の増加や地域の発展に伴い、1958年（昭和33年）12月25日には常設の旅客駅へと昇格しました。駅舎については、1969年（昭和44年）10月に現在の橋上駅舎へと改築が行われ、利便性が向上しました。

国鉄の通勤五方面作戦の一環として常磐線の輸送力増強が進められた結果、1971年（昭和46年）4月20日には北千住駅から我孫子駅までの区間が複々線化されました。この複々線化に伴い、北松戸駅は常磐緩行線（当時の営団地下鉄千代田線との直通運転に対応）の停車駅となりました。

国鉄分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からは東日本旅客鉄道（JR東日本）の運営する駅となりました。その後も施設の近代化が進み、1992年（平成4年）7月2日には自動改札機が導入され、利用開始となりました。2001年（平成13年）11月18日からは、ICカード「Suica」による乗降が可能となり、スムーズな改札通過が実現しました。駅窓口のサービス形態も変化し、2006年（平成18年）5月27日にはみどりの窓口の営業が終了し、指定席券売機が設置されています。

バリアフリー設備の整備も進められ、2008年（平成20年）3月には、改札階と駅東西の地上部、そしてホームと改札階をそれぞれ結ぶエレベーターが順次供用を開始しました。近年では、駅の安全対策として、2021年（令和3年）10月12日にスマートホームドアの運用が始まりました。また、駅の雰囲気にも変化があり、2018年（平成30年）8月からは一部列車で、2019年（平成31年）3月16日からは全ての列車において、発車メロディの使用が停止されています。

駅構造

北松戸駅は、地上に位置する島式ホーム1面2線を持つ駅構造で、線路の上空に駅舎が設置された橋上駅舎を備えています。駅業務は松戸駅が管理しており、JR東日本ステーションサービスに業務委託された業務委託駅となっています。駅員無配置時間帯や早朝時間帯には、お客さまサポートコールシステムが導入されており、インターホンを通じた遠隔での案内が行われます。

駅構内には自動券売機や多機能券売機、指定席券売機が設置されており、乗車券や特急券などの購入が可能です。改札機は自動改札機が設置されています。駅利用者の利便性を高めるため、きっぷ売り場に隣接して立ち食いそば店が営業しています。また、改札内にはNewDaysキヨスクとVIEW ALTTE、改札外にも立ち食いそば店とVIEW ALTTE、指定席券売機が設置されています。

バリアフリー設備としては、前述の通り東西の地上部と改札階、そして改札階とホームの間を結ぶエレベーターがそれぞれ設けられています。また、ホームと改札階の間には上り方向のエスカレーターが1基設置されています。

利用状況

北松戸駅の利用状況を見ると、2023年度（令和5年度）における1日平均の乗車人員は19,704人でした。この数値は、周辺地域の住宅化や工業団地への通勤需要を反映したものです。

駅周辺

駅の西側には、松戸競輪場と広大な北松戸工業団地が広がっています。工業団地内には、山崎製パン、合同酒精、宝酒造といった日本を代表する大手メーカーを含む様々な企業の大規模工場が立地しており、これらの工場で働く人々の朝夕の通勤時間帯には、駅が特に賑わいを見せます。工業団地は常磐線に沿って南北に長く伸びており、その北端は馬橋駅の近くまで達しています。

駅西側のエリアは、かつて「下谷耕地」と呼ばれた田園風景が広がっていた低地帯でしたが、現在は宅地化が進んでいます。江戸川沿いの一部には現在も農地が残されています。一方、駅の東側は台地が迫っており、その間には駅前広場や国道6号線が通っています。この区間は、松戸市内において駅に最も近い位置を通る国道6号線であり、特に平日昼間には駅入口付近の交差点が渋滞しやすい地点となっています。国道6号線を越えると上り坂となり、その先に閑静な住宅街が広がっています。駅を中心におよそ1キロメートル圏内は、工業団地や競輪場を除けば、概ね住宅地として利用されています。

バス路線

北松戸駅からのバス路線は、主に東口の駅前広場から発着しています。ここでは、京成バス（千葉ウエスト松戸東営業所が運行）と松戸市コミュニティバス（松戸市ゆめいろバスの中和倉コース）が乗り入れています。京成バスは松戸駅東口方面や県立松戸高校、総合医療センター方面への路線を運行しています。松戸市コミュニティバスは、総合医療センターへ向かう左回り・右回りのコースが利用できます。なお、駅西方面に「北松戸駅入口」というバス停がありますが、これは駅から約700メートル（徒歩で8〜9分）離れており、常磐線の線路を挟んだ場所にあるため、駅との乗り換えにはあまり便利ではありません。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）常磐線（各駅停車）における北松戸駅の隣の駅は以下の通りです。

松戸駅 (JL 22) - 北松戸駅 (JL 23) - 馬橋駅 (JL 24)

もう一度検索