北永山駅

北永山駅：上川盆地の静かな駅

北海道旭川市永山町に位置する北永山駅は、北海道旅客鉄道（JR北海道）宗谷本線に属する地上駅です。駅番号はW32。宗谷本線沿線の中でも、比較的利用客の少ない駅として知られています。

歴史：地元住民の熱意が結実

北永山駅の起源は、永山村、当麻村、比布村、東鷹栖村（いずれも当時）の住民による駅設置の強い要望に遡ります。永山駅と比布駅の間には約8kmに渡り駅が存在せず、地域住民の利便性向上が課題でした。この熱意を受け、1947年12月、永山駅と比布駅の中間地点に北永山仮乗降場が開業しました。

当初は簡易なホームのみの設置でしたが、その後、地元住民による寄付によって待合室が新設されるなど、駅としての機能向上に向けた取り組みが続けられました。そして、1959年11月1日、北永山仮乗降場は北永山駅へと昇格を果たしました。この昇格は、長年にわたる地元住民の努力の結晶と言えるでしょう。

1987年の国鉄分割民営化によってJR北海道の駅となり、1990年には北海道旭川農業高等学校の移転に伴い、駅舎も現在の場所に移転されました。

駅構造：シンプルな造り

現在の北永山駅は、単式ホーム1面1線を持つ小さな駅です。ホーム中央には待合室が設置されていますが、トイレはありません。稚内方面に向かって右手にホームがあり、駅舎とは階段で結ばれています。簡素ながらも、地域住民にとって必要な機能は備えていると言えるでしょう。

利用状況：限られた本数の列車

北永山駅は、一部の普通列車のみが停車します。そのため、1日の発着本数は多くありません。利用状況は限られていますが、周辺地域住民にとって、貴重な交通手段として機能しています。

駅周辺：田園風景と大雪山系

北永山駅は、旭川市街地から離れた、上川盆地の田園地帯に位置しています。周囲はのどかな田園風景が広がり、ホームからは大雪山系の山々を望むことができます。駅周辺には、北海道旭川農業高等学校や、永山新川（牛朱別川と石狩川水系の分水路）などがあります。永山新川は、春と秋には白鳥などの渡り鳥が飛来することで知られています。また、道北バスの停留所も近接しており、バス路線との接続も可能です。

まとめ：地域に根付く小さな駅

北永山駅は、利用客数こそ多くありませんが、地域住民の強い要望によって誕生し、現在も地域に密着した駅として存在感を保っています。周辺の自然環境や、北海道旭川農業高等学校といった地域資源との関連性も深く、上川盆地の歴史と文化を垣間見ることができる、静かな駅と言えるでしょう。

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