北竜駅

北竜駅（ほくりゅうえき）は、かつて北海道雨竜郡沼田町北竜に位置していた、日本国有鉄道（国鉄）札沼線の駅（廃駅）です。この駅は、地域の歴史と深く結びついており、その変遷は地域の発展と衰退を映し出す鏡のようです。

歴史

北竜駅の歴史は、1931年（昭和6年）10月10日に、札沼北線石狩沼田駅から中徳富（現在の新十津川）駅間が開通した際に開業したことに始まります。この時、北竜駅は一般駅として、旅客と貨物の両方を扱う役割を担っていました。

しかし、その後の歴史は平坦ではありませんでした。1944年（昭和19年）7月21日、太平洋戦争が激化する中で、北竜駅は不要不急線として休止を余儀なくされました。これは、戦時中の物資不足と輸送能力の重点化によるもので、地域住民にとって大きな痛手となりました。

終戦後、1956年（昭和31年）11月16日には、雨竜駅から石狩沼田駅間が復活し、北竜駅も再開されました。この時、札沼線は全線が復旧し、地域の交通網が再び活気を取り戻しました。しかし、この復興も長くは続きませんでした。

1972年（昭和47年）6月19日、札沼線の新十津川駅から石狩沼田駅間が廃止されることになり、それに伴い北竜駅もその歴史に幕を閉じることになりました。この廃止は、モータリゼーションの発達と過疎化の影響によるもので、鉄道の利用者が減少したことが主な理由でした。

駅構造

北竜駅の駅舎は、札幌方面に向かって左手の東側に設置されていました。駅舎の前には、単式ホーム1面1線が設けられ、副本線も存在しました。また、駅舎の札幌側には貨物ホームがあり、そこへは1本の引込線が伸びていました。この構造は、かつて貨物輸送も盛んだった頃の名残を留めています。

周辺

北竜駅の周辺には、国道275号線が通っており、交通の要所となっていました。しかし、駅の廃止後は、その存在感は薄れてしまいました。

その他

北竜駅が存在していた当時、駅の所在自治体は北竜町ではなく、沼田町でした。これは、北竜地区がもともと北竜村にあったものの、1943年（昭和18年）4月1日に、沼田村に編入されたためです。北竜村の北竜地区と恵比島地区が沼田村に編入され、沼田村北竜・恵比島となったのです。

なお、北竜町の中心市街地（役場所在地）にあった駅は和駅（やまとえき）であり、北竜駅とは異なる場所に位置していました。この点は、北竜町の歴史を理解する上で重要なポイントです。

隣の駅

日本国有鉄道

札沼線

碧水駅 - 北竜駅 - 五ヶ山駅

参考文献

赤字83線

外部リンク

国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス（1963年撮影航空写真）写真右下側に当駅。

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