新十津川駅

新十津川駅：終着駅の記憶

新十津川駅は、北海道樺戸郡新十津川町にあった北海道旅客鉄道（JR北海道）札沼線（学園都市線）の駅です。1931年に中徳富駅として開業し、1953年に新十津川駅に改称。長らく札沼線の終着駅として機能していましたが、2020年5月7日に廃止されました。

歴史

1931年10月10日、札沼北線の終着駅として中徳富駅が開業しました。その後、路線延伸により途中駅となりますが、戦時中に一時休止。1953年に営業を再開し、同時に新十津川駅に改称されました。1972年に石狩沼田駅間が廃止されて再び終着駅となり、2020年の廃止までその役割を担いました。

路線延伸構想

新十津川駅と滝川駅を結ぶ路線延伸構想がありましたが、石狩川の架橋に巨額の費用がかかるため実現には至りませんでした。この構想は、地域開発と物流ルートの確立を目的としていましたが、最終的に断念されています。

駅の構造

新十津川駅は、単式ホーム1面1線の地上駅でした。無人駅でしたが、旧対面窓口が観光案内所として活用され、地域おこし協力隊員が記念グッズなどを販売していました。駅舎は1953年に建てられた木造で、正方形に近い形をしていましたが、無人化後に一部が取り壊されたため、現在の形になっています。

駅名の由来

開業当初の駅名「中徳富」は、地域名「徳富」と石狩川の中流に位置することから名付けられました。しかし、新十津川村内からの要望により、1953年に新十津川駅に改称されました。当初の読みは「しんとつがわ」でしたが、1997年に「しんとつかわ」に変更されています。

鉄道ファンと地域住民に愛された駅

新十津川駅は、営業末期には1日1往復のみの発着で、終列車の発車時刻が非常に早いことで知られていました。そのため、日本一終列車の早い駅として鉄道ファンに人気があり、駅では終着駅到達証明書や硬券入場券が販売されました。

駅長犬「ララ」

2017年から2018年にかけて、毎週土日に駅で乗降客を出迎えた柴犬「ララ」は、駅長犬として多くの人に愛されました。その愛らしい姿はメディアでも取り上げられ、新十津川駅の人気に大きく貢献しました。ララは2020年に老衰のため亡くなりましたが、駅舎内にはメモリアルコーナーが設置されています。

廃止後の駅

2020年5月7日に札沼線の一部区間が廃止されたことに伴い、新十津川駅も廃止されました。駅舎は新十津川町に譲渡され、その後解体されましたが、跡地には記念公園が整備されています。公園内には旧駅のホームや線路が保存され、かつての終着駅の面影を残しています。

跡地の活用

駅跡地は、地域住民の憩いの場として活用されるとともに、市街地の分断解消と交通アクセスの改善を目指した整備が進められています。また、駅舎の跡地整備や、駅の記憶を継承するための取り組みが行われています。

駅周辺

新十津川駅は、新十津川町の中心部に位置していました。周辺には、町役場、郵便局、学校、病院などの公共施設や、物産館などの観光施設があります。石狩川を挟んで対岸には滝川駅があり、路線バスで移動が可能です。

利用状況

新十津川駅の乗車人員は、1980年代から減少傾向にありました。廃止直前には、1日平均の乗車人員はごくわずかでしたが、鉄道ファンや地元住民に愛される駅でした。

隣の駅

2020年廃止区間

下徳富駅 - 中徳富駅 - 新十津川駅

中徳富駅は2006年廃止

1972年廃止区間

新十津川駅 - 石狩橋本駅

まとめ

新十津川駅は、その歴史、駅名の変遷、駅長犬ララとの交流など、多くの物語を持つ駅でした。廃止後も、その記憶は記念公園として継承されています。この駅は、地域の人々に愛され、鉄道ファンにとっても忘れられない存在でしょう。

ギャラリー

脚注

注釈

出典

報道発表資料

新聞記事

関連項目

日本の[[鉄道駅]]一覧
終着駅
住吉公園停留場

外部リンク

新十津川｜駅の情報検索（時刻表・バリアフリー）｜駅・鉄道・旅行｜JR北海道- Hokkaido Railway Company
* 新十津川駅総合案内 - 空知中央病院の公式サイト

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