北豊津信号場

北豊津信号場

北豊津信号場は、北海道山越郡長万部町字豊津に位置する、北海道旅客鉄道（JR北海道）函館本線の信号場です。電報略号はヨツ。事務管理コードは▲140126。かつて旅客扱いをしていた頃の駅番号はH50でした。

歴史

この信号場は、太平洋戦争に伴う戦時輸送力強化の一環として設置されました。興味深いことに、この場所には終戦以前、陸軍の軍馬補充部である豊津種馬所がありました。戦後には砂鉄の採集も行われていたことから、仮乗降場として旅客営業も行われていました。その後、国鉄分割民営化のタイミングで駅に昇格しましたが、2017年（平成29年）3月4日に旅客扱いを廃止し、再び信号場となりました。

年表

1944年（昭和19年）7月1日：国有鉄道函館本線の北豊津信号場として開設。仮乗降場として旅客の取り扱いを開始。
1949年（昭和24年）6月1日：日本国有鉄道法施行に伴い、日本国有鉄道（国鉄）に継承。
1953年（昭和28年）以降：専用線発着貨物の取り扱いを開始。
1967年（昭和42年）以降：貨物取り扱いを廃止。
1970年（昭和45年）9月25日：当信号場 - 国縫駅間が複線化。
1986年（昭和61年）11月1日：無人化。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道（JR北海道）に継承。同時に駅へ昇格し、北豊津駅となる。
1990年（平成2年）3月10日：営業キロ設定。
1991年（平成3年）12月24日：駅舎改築。
2007年（平成19年）10月1日：駅ナンバリングを実施。
2016年（平成28年）6月2日：同じ長万部町の蕨岱駅、森町の桂川駅、東山駅、姫川駅と共に、JR北海道から各町へ2017年（平成29年）3月実施予定のダイヤ改正に合わせて廃止の意向を示す。その後、長万部町は当駅の廃止を容認。
2017年（平成29年）3月4日：旅客扱いを廃止。再び北豊津信号場となる。

信号場名の由来

信号場の名前は、所在地である「豊津」の北方に位置することに由来します。もともとこの地は「六津（ろこつ、ろくつ）」と呼ばれていましたが、信号場が開設される前の1940年（昭和15年）に地区名が「豊津」に改正されました。「六津」という名称は、長万部町と八雲町の境界を流れるルコツ川のアイヌ語名「ルコッ（ru-kot）」（足跡・くぼみ→道・沢）に由来しており、かつてルコツ川沿いに瀬棚方面へ山越えする道があったことに起因するとされています。

構造

当初、函館方が両開き、旭川方が下り線を直線とする片開き分岐器（いずれも安全側線なし）を備えたシンプルな2線構造の信号場でした。しかし、1970年（昭和45年）に当信号場から長万部方が複線化される際、上り本線が単線区間に進入する直前の函館方の両開き分岐器に安全側線が付帯されました。旅客扱いをしていた当時は、相対式ホーム2面2線が設置され、構内踏切で結ばれており、ホームの脇には待合所がありました。

利用状況

砂鉄資源の枯渇により集落の戸数が激減する以前は、乗降人員もそれなりに多かったようですが、その後は乗降客がほとんどいない状態が続いていました。

周辺

国道5号
旧長万部町立豊津小学校
豊津いちご農園
函館バス「北豊津」停留所

駅であった当時は国道5号線上に「北豊津信号所前」停留所がありましたが、旅客営業廃止に伴い、地元から住宅の多い町道豊津二号線へのバス路線経路変更の要望があり、町と函館バスの協議を経て2017年（平成29年）11月に経路変更と停留所名の変更が行われました。

隣の施設

北海道旅客鉄道（JR北海道）

■函館本線

黒岩駅 (H51) - （北豊津信号場） - 国縫駅 (H49)

関連項目

日本の鉄道駅一覧
所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ! ｰ 当駅を取り扱った特集が廃駅当日に放送されました。

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