北郡

北郡（きたぐん）とは

北郡は、かつて青森県に存在した郡であり、現在の十和田市、三沢市、むつ市、上北郡、下北郡にあたる広大な領域を占めていました。ただし、これは行政区画として正式に定められたものではありません。

歴史

北郡は、古くは糠部郡の一部でした。中世以降は南部氏の領地となり、その存在が初めて確認されたのは、寛永11年（1634年）の徳川家光の判物です。

近代以降の変遷

明治時代に入り、北郡は大きな変革期を迎えます。所属町村の変遷については、下北郡および上北郡のそれぞれの項目で詳しく解説されています。

明治初年の時点では、「旧高旧領取調帳」によると、北郡は盛岡藩と七戸藩によって支配されており、その内訳は以下の通りです。

後の下北郡（34村）：盛岡藩
後の上北郡（49村）：盛岡藩、七戸藩

1869年（明治元年）には、戊辰戦争後の処分により盛岡藩が減封され、北郡内の領地は弘前藩の取締地となりました。

しかし、旧盛岡藩領が弘前藩の管轄となることに反対する一揆が発生したため、1869年（明治2年）には黒羽藩の取締地に変更され、この地域は北奥県と通称されるようになりました。その後、北奥県は九戸県、八戸県（第1次）、三戸県と名称を変え、最終的には旧会津藩が転封され、斗南藩となります。

1871年（明治4年）には廃藩置県が行われ、七戸県と斗南県の管轄となりますが、同年中に第一次府県統合により青森県の管轄となりました。

1878年（明治11年）10月30日、郡区町村編制法が青森県で施行されたことで、北郡は下北郡と上北郡に分割され、北郡としての歴史に幕を閉じました。

下北郡：旧第6大区（田名部村ほか33村）
上北郡：旧第7大区（七戸村ほか50村）

脚注

北郡の歴史は、地域社会の変遷と深い関わりがあります。その変遷を理解することは、青森県の歴史をより深く理解する上で重要です。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 2 青森県』角川書店、1985年
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

南部地方
喜多郡：愛媛県（伊予国）にある同音の郡
* 木田郡：香川県（讃岐国）にあった同音の郡

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