十念寺 (長野市)

十念寺について

十念寺は、長野県長野市南長野西後町に位置する浄土宗の寺院です。紫雲山を山号とし、頼朝院を院号と称します。善光寺七寺に数えられることもあり、地域に根ざした歴史と文化を伝えています。

歴史

寺伝によると、建久8年（1197年）に源頼朝が善光寺を参詣した際、阿弥陀三尊が現れ十念を授けたとされます。この出来事を機に、頼朝は寺領を寄進し、僧念阿良慶を開山として寺を創建したと伝えられています。しかし、実際には『仏向派血脈譜』によれば、南北朝時代初期に時宗の一向俊聖の高弟である一願阿聖が開山したとされています。

大塔合戦を描いた『大塔物語』には、守護方の戦死者の遺骸を十念寺の僧侶と善光寺妻戸衆が埋葬したという記述があります。また、その墓地には応永15年（1408年）に十阿上人のために建てられた板碑が残されています。

その後、寺は一時的に無住となり荒廃しましたが、寛永年間（1624年〜1645年）に寛慶寺の住職であった円誉秀甫が入寺し、再興しました。しかし、弘化4年（1847年）の善光寺地震によって、本堂や大仏堂などが倒壊する被害を受けています。

境内

現在の境内には、嘉永3年（1850年）に再建された本堂、天保11年（1840年）に再建された観音堂、大仏堂、そして秋葉神社があります。本堂には、本尊である阿弥陀如来が安置されています。

大仏堂に安置されている大仏阿弥陀坐像は、美作国誕生寺22世の正道が願主となり、寛政11年（1799年）に造立されました。観音堂には、東大寺を再建した重源が請来したとされる十一面観音像が安置されています。この観音像は、寛永年間に大勧進の重慶が迎え入れて観音堂を建立した際に安置されました。

秋葉社は、当初は北面堂と呼ばれていました。十念寺の5世住職である単了が、宝永2年（1705年）に戸隠神社から勧請しました。その後、地震による被害を受けた秋葉社を、立川和四郎富昌が修復し、社殿には彫刻が施されています。

参考資料

『探訪 信州の古寺 浄土教・日蓮宗』1996年 郷土出版社

関連情報

善光寺七名所

外部リンク

* 十念寺 浄土宗 - 全国善光寺会

これらの情報から、十念寺は歴史と文化が色濃く残る寺院であることがわかります。

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