千徳政氏

千徳政氏：戦国時代の知られざる武将

千徳政氏（せんとく まさうじ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将であり、陸奥国浅瀬石城主としてその名を知られています。彼の生涯は、主家である南部家との関係、津軽為信との同盟、そして最期など、多くの謎に包まれています。

生涯

千徳政氏は、閉伊郡千徳城主・千徳政吉の子として生まれました。弘前藩に残る記録によれば、彼は南部家を裏切り、津軽為信と同盟を結び、その津軽統一に協力したとされています。しかし、彼の生没年や系図などは史料によって異なり、はっきりとしたことは分かっていません。

津軽石氏との争い

天正11年（1583年）1月、千徳政氏は津軽石氏と津軽石川の漁業権を巡る争いを起こし、払川館主の津軽石九郎勝富を謀殺しました。同年、父・政吉が病死したため、その後を継いで浅瀬石城主となりました。

南部家との対立

天正13年（1585年）4月、南部家への反逆に対して激怒した南部信直は、名久井城主・東政勝を大将とする3000の軍勢を浅瀬石城へ差し向けました。しかし、千徳政氏はこれを撃退しました。この合戦において、津軽為信が援軍を出さなかったことが、後に千徳氏と為信の関係が悪化する原因になったと言われています。同年5月、千徳政氏は兵600を率いて為信と共に田舎館城主の千徳政武を攻め滅ぼしました。

最期

千徳政氏の死期については、史料によって食い違いが見られます。『青森県史』『岩手県史』では、子の政康が為信に討たれたのと同じ慶長2年（1597年）に亡くなったとされています。『永禄日記』によれば、為信によって堀越城に呼び寄せられ、息子共々殺害されたとされています。政氏の三男城之介の四歳の子供は、家臣と共に南部へ落ち延びたと言われています。また、千徳家の家臣が残した文献では、天正16年（1588年）に亡くなったとされています。

千徳政氏の生涯は、史料の少なさや矛盾によって、多くの謎に包まれています。しかし、南部家との対立、津軽為信との関係など、彼の行動は戦国時代の陸奥国の情勢を色濃く反映していると言えるでしょう。

脚注

史料によって千徳政氏の生涯に関する記述が異なる点に注意が必要です。
千徳氏と津軽氏の関係は、複雑であり、様々な解釈が存在します。

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