千歳 (空母)

千歳（ちとせ）

千歳は大日本帝国海軍の航空母艦で、もとは水上機母艦として設計された艦艇である。1934年に建造が決定し、1938年に竣工した。元々は甲標的母艦としての運用を計画していたが、秘密保持のために水上機母艦としての就役が決まった。1943年には航空母艦に改造され、瑞鳳型航空母艦の一座席を占めることになる。

特徴

千歳は、1942年5月に舷外電路を装備し、機銃甲板には日の丸のマーキングが施されていた。艦のマストは、同型艦の「千代田」が三脚トラスであるのに対し、千歳は日本の航空母艦として一般的な下部四脚ラティスと上部単檣を併用した。

最終的な兵装は、12.7cm高角砲を連装で4基、25mm機銃を三連装で10基、また戦後には30挺の単装機銃を装備していた。機銃はあ号作戦後は移動式から固定式に変更され、さらには7.7mm機銃の搭載も確認されている。また、28連装噴進砲も装備し、各所に配置されていた。

改造に際して21号電探を装備し、後には13号電探も取り付けている。

搭載機

千歳は水上機母艦の段階で当初は九五式水上偵察機を24機搭載する計画であったが、実際には1938年に8機が搭載された。1942年5月時点では零式観測機と零式水上偵察機の組み合わせで運用されていた。航空母艦としての計画では、零式戦闘機21機と九七式艦上攻撃機9機を搭載することとなっていた。

艦歴

艤装員長として池内正方大佐が就任し、艦長も池内大佐が初代を務めた。1938年から1941年までの間、千歳は水上機母艦として中国大陸に展開し、数々の戦闘に参加した。1942年にはミッドウェー攻略作戦にも参加したが、その後の海戦での損失を受けて航空母艦への改造が実施されることとなった。

改造工事は1943年1月に佐世保海軍工廠で始まり、8月に完了した。1943年12月には航空母艦として正式に改称され、1944年にマリアナ沖海戦やレイテ沖海戦に参加した。しかし、10月25日のレイテ沖海戦において、米艦載機の攻撃を受け撃沈された。艦長の岸良幸大佐以下、903名の乗員が命を落とし、海軍は1944年12月20日に千歳を除籍した。

おわりに

「千歳」は大日本帝国海軍の重要な艦艇として、多くの戦闘に参加し、その歴史は非常に興味深いものである。艦の構造や運用、そして艦歴を通じて、当時の海軍の状況を知ることができる貴重な資料でもあり、今なお多くの人々に語り継がれている。

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