千葉胤明

千葉 胤明について

千葉胤明（ちば たねあき）は1864年7月14日に生まれ、1953年6月25日に世を去った日本の著名な歌人であり書家です。彼は東京府の士族出身であり、後に日本芸術院の会員に選ばれるなど多方面にわたり影響を与えました。親族には秋山虎六や天本浩義がいます。

生い立ちと教育

胤明は肥前佐賀に生まれ育ちました。1881年には佐賀中学校を卒業し、1884年に佐野常民のもとで学び始めました。この頃、彼は竜地会という団体の事務職に就職し、ここで文人としての基盤を築きます。さらに1885年には高崎正風に師事し、和歌の作法を探求しました。書に関しては長三州に師事し、その技術を高めていきました。

職歴と業績

1888年、胤明は農商務省で博覧会業務に従事します。1890年には内国勧業博覧会やパリ万国博覧会の事務に関わり、その国際的な感覚を磨きました。また、1892年には宮内省の御歌所に勤務し、ここで和歌の制作や伝承に貢献しました。1908年には御歌所寄人として、歌の創作活動を継続し、明治天皇の御製編纂にも1916年から1919年まで関与しました。

その後も、1936年から1944年にかけての歌会始には点者として参加し、1937年に帝国芸術院会員に任命されました。1946年には従三位に叙せられるなど、文人としての高い評価を受けました。彼の墓所は青山霊園にあります。

影響と指導

胤明は、近衛公爵や徳川公爵、大山公爵、前田侯爵、蜂須賀侯爵および鍋島侯爵などの著名人に和歌や書道を教えました。また、雍仁親王妃勢津子や宣仁親王妃喜久子、梨本宮妃、李王妃など、さまざまな宮妃にもその指導を行い、彼の影響力は広範囲に及びました。

編著

胤明は多くの著作を残しています。1894年には『つゆのひかり』を出版し、1922年には『明治天皇御製集』を発表しました。また、1930年には『書道講座 第12 色紙の書方』を手がけ、1938年には『明治天皇御製謹話』も出版しました。さらに晩年には、1989年に『折々ぐさ 千葉胤明遺詠和歌集』が岡部絹子によって編纂され、彼の詩業を後世に伝えることとなりました。

栄典

彼の業績は高く評価され、1940年8月15日には紀元二千六百年祝典記念章が贈られました。千葉胤明の生涯と業績は、日本の文化と芸術に深く刻まれています。

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