南 (漢姓)

南（なん、ナム）について

南は、主に中国と朝鮮半島に見られる姓です。漢字表記は同じですが、発音は地域によって異なります。中国では「nán」、朝鮮では「nam（ナム）」または「nan（ナン）」と発音されます。

中国の姓としての南

中国において南は、比較的珍しい姓に分類されます。2020年の中国の統計では、上位100姓には入っていません。台湾では2018年の統計で332番目に多く、475人が確認されています。

南氏の起源については、いくつかの説があります。

禹の末裔説: 夏王朝を建国した禹の末裔が名乗ったとする説。
殷王盤庚の子孫説: 殷王朝の王である盤庚の息子、南赤龍の子孫が名乗ったとする説。
明の嘉靖帝の后妃に関わる説: 明の嘉靖帝の后妃である張皇后が罪を得た際、一族が滅亡を逃れるために東、西、南、北の四姓に分かれたとする説。
満州族の改姓説: 満州族のナラ氏が、清朝滅亡後に漢姓として「那」または「南」を名乗ったとする説。

中国の著名な人物

南霽雲: 唐の時代の武将。
南桂馨: 中華民国の政治家。
南懐瑾: 中華民国、中華人民共和国の学者。
南漢宸: 中華人民共和国の政治家。

朝鮮の姓としての南

朝鮮における南は、複数の氏族が存在する比較的よく見られる姓です。ハングル表記は「남」で、発音は「nam（ナム）」または「nan（ナン）」です。

朝鮮の南氏の起源

朝鮮の南氏は、主に以下の4つの本貫（氏族）に分かれます。

英陽南氏: 始祖は南敏。
宜寧南氏: 始祖は南敏。
固城南氏: 始祖は南敏。
南原南氏: 始祖は羅仲竜（南仲竜）とされる。

これらのうち、英陽、宜寧、固城の3つの南氏は、唐から新羅に渡来した南敏を共通の始祖としています。南敏は元々金忠という名前でしたが、新羅に帰化する際に新羅王から「南」姓を賜ったとされています。南敏から7代目の南鎮勇の子供たちがそれぞれ分家し、英陽、宜寧、固城の各南氏を興しました。一方、南原南氏の始祖である羅仲竜については、詳しいことはわかっていません。

朝鮮の著名な人物

南在: 高麗の文臣、李氏朝鮮の開国功臣。
南智: 李氏朝鮮の文臣。
南袞: 李氏朝鮮の文臣。
南以雄: 李氏朝鮮の文臣。
南九万: 李氏朝鮮の文臣。
南公轍: 李氏朝鮮の文臣。
南慈賢: 日本統治時代の朝鮮の独立運動家。
南昇龍: 日本統治時代の陸上選手。
南松鶴: 韓国の国会議員。
南相敦: 韓国の国会議員。
南載熙: 韓国の国会議員、元労働部長官。
南載漢: 韓国の国会議員。
南在斗: 韓国の国会議員。
南平祐: 韓国の実業家、国会議員。
南景弼: 韓国の政治家、元京畿道知事。
南仁順: 韓国の国会議員。
南在俊: 韓国の政治家、元国家情報院長。
ナム・サンテ: 韓国の実業家。
南賢喜: 韓国のフェンシング選手。
ナム・ギュリ: 女優、歌手。
ナム・ジヒョン: 女優。
ナム・サンミ: 女優。
ナム・ジュヒョク: 俳優。
ナム・サンア: 歌手。
ナム・ウヒョン: 歌手。
ナム・ジヒョン: 歌手。
ナム・ヒソク: 韓国のコメディアン。

関連項目

南氏（日本人の姓）
朝鮮人の姓の一覧
南で始まる記事の一覧

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