南バナト郡

南バナト郡（Јужнобанатски округ）

南バナト郡は、セルビア北東部のヴォイヴォディナ自治州に位置する郡です。セルビア語ではЈужнобанатски округ、クロアチア語ではJužnobanatski okrug、ハンガリー語ではDél-bánsági körzet、スロバキア語ではJuhobanátsky okres、ルーマニア語ではDistrictul Banatul de Sud、パンノニア・ルシン語ではЈужнобанатски окрухと表記されます。郡の行政中心都市はパンチェヴォで、郡の東側はルーマニアのトランシルヴァニア地方と国境を接しています。2022年の国勢調査によると、人口は260,244人です。

基礎自治体

南バナト郡は、以下の8つの基礎自治体で構成されています。

プランディシュテ（Plandište）
オポヴォ（Opovo）
コヴァチツァ（Kovačica）
アリブナル（Alibunar）
ヴルシャツ（Vršac）
ベラ・ツルクヴァ（Bela Crkva）
パンチェヴォ（Pančevo）
コヴィン（Kovin）

民族構成

2002年の国勢調査によると、南バナト郡の民族構成は以下の通りです。

セルビア人: 220,641人(70.28%)
ルーマニア人: 21,618人(6.88%)
ハンガリー人: 15,444人(4.91%)
スロバキア人: 15,212人(4.84%)
マケドニア人: 7,636人(2.43%)
ロマ: 6,268人(1.99%)
* ユーゴスラビア人: 5,687人(1.81%)

ほとんどの基礎自治体ではセルビア人が多数を占めていますが、コヴァチツァは民族が混在しており、比較的スロバキア人（41%）が多くなっています。

文化

パンチェヴォには、歴史的なアーカイブである国立図書館Veljko Vlahovićや、重要文化財に指定された施設など、多くの著名な文化遺産があります。特に注目されるのは、1405年に建てられたセルビア正教会のヴォイロヴィツァ修道院、1811年に建てられた聖母被昇天教会と変容教会、1833年に設立された国立博物館などです。これらの文化遺産は、南バナト郡の豊かな歴史と文化を物語っています。

経済

パンチェヴォは工業が盛んな都市であり、石油関連産業や肥料工場などが立地する工業地帯を形成しています。これらの産業は、南バナト郡の経済を支える重要な役割を果たしています。

南バナト郡は、多様な民族が共存し、豊かな文化と歴史を持つ地域です。工業都市パンチェヴォを中心に、ヴォイヴォディナ地方の発展に貢献しています。

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