南久留米駅

南久留米駅：久留米市の歴史と変化を映す駅

南久留米駅は、福岡県久留米市野中町に位置する九州旅客鉄道（JR九州）久大本線の駅です。1928年（昭和3年）12月24日の開業以来、地域住民の生活に密着した歴史を刻んできました。

開業から現在まで

開業当初は国有鉄道の駅として、貨物や荷物の取扱いも行われていました。しかし、1984年（昭和59年）2月15日には貨物および荷物扱いが廃止され、無人化。その後、業務委託駅となりましたが、2022年（令和4年）3月12日には再び無人駅となりました。2024年（令和6年）3月には駅舎の改築が予定されています。

駅舎と六芒星

南久留米駅の駅舎は、開業当初からの歴史を今に伝える建造物です。2001年には事務所部分が解体され、現在の規模となりました。駅舎入り口部分の天井には、六芒星の装飾があります。この六芒星の由来は諸説あり、かつて久留米に駐屯していた陸軍部隊の旅団を表す記号、あるいは魔よけとして用いられていたという説があります。陸上自衛隊久留米駐屯地は、前者の説を否定的な見解で捉えています。

駅構造と周辺環境

南久留米駅は、島式ホーム1面2線を有する地上駅です。駅舎からホームへは、トンネルを通ってアクセスします。かつては、トンネル入口に約400本のツツジが植えられており、観光名所の一つとなっていました。

駅周辺は、久留米市の中心市街地の南東部に位置し、商業施設や住宅、商店が密集しています。特に、駅前にあるショッピングセンター「サンリブ久留米」は、地域住民にとって重要な商業拠点となっています。また、陸上自衛隊久留米駐屯地、陸上自衛隊前川原駐屯地（陸上自衛隊幹部候補生学校）、久留米競輪場なども近隣にあります。

利用状況と交通アクセス

1974年頃には、大豆、飼料、肥料、セメントなどの貨物輸送が盛んで、1日平均約200tの到着と約40tの発送がありました。陸上自衛隊久留米駐屯地の最寄り駅だったため、大砲の輸送も行われていたそうです。1日平均乗降客数は約1,500人で、通学客が大半を占めていました。2020年度の1日平均乗車人員は329人です。

バス路線については、かつては西鉄バス久留米の南久留米バス停がありましたが、2010年に廃止されています。現在、周辺には堀川バスの上川原停留所、西鉄バス久留米の高屋敷停留所、一丁田停留所などがあります。これらのバス路線を利用して、久留米市内や近郊へのアクセスが可能です。

駅間の延伸と活性化

国鉄民営化後、久留米駅と御井駅の間の距離が長く、住宅地が連続していることから、新駅の設置を求める住民運動が活発化しました。「JR久大本線活性化促進協議会」を中心に活動が行われ、2000年に久留米大学前駅、2009年に久留米高校前駅が開業しました。南久留米駅は、これらの新駅開業により、久留米市内の交通ネットワークの一翼を担っています。

隣の駅

久留米高校前駅、久留米大学前駅

南久留米駅は、歴史と変化を映す、久留米市の重要な拠点となっています。今後の駅舎改築によって、新たな魅力が加わることでしょう。

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