南会津町前沢

南会津町前沢:歴史と文化が息づく曲り家の集落



福島県南会津郡南会津町に位置する前沢は、重要伝統的建造物群保存地区として知られています。地区内には、約13.3ヘクタールにわたり、歴史的な建造物群が保存されています。

概要



前沢集落は、1907年明治40年)に発生した大火により、ほとんどの建物が焼失しました。しかし、その後の復興において、周辺地域の大工たちの手によって統一的な景観が創り出されました。特徴的なのは、L字型に曲がった独特の家屋「曲り家」です。現在も人々が生活を営んでおり、当時の面影を色濃く残しています。

曲り家の特徴



曲り家は、人と家畜が共に暮らすための構造を持ちます。建物の一方が突出しており、そこが牛や馬の生活空間、奥の部分が人の生活空間となっていました。妻面には明かり取りの窓が設けられ、梁と貫の木組み、前包の彫刻、狐格子など、意匠性の高い装飾が施されています。

農業の機械化が進むにつれて、家畜との共同生活は減少しましたが、曲り家での生活は現在も続いています。1985年(昭和60年)には、旧舘岩村(当時)で環境美化条例が制定され、茅葺屋根の保存が図られてきました。そして、2011年(平成23年)6月20日、前沢は重要伝統的建造物群保存地区として選定されました。

重要伝統的建造物群保存地区データ



  • - 地区名称:南会津町前沢
  • - 種別:山村集落
  • - 選定年月日:2011年6月20日
  • - 選定基準:(3)伝統的建造物群及びその周囲の環境が地域的特色を顕著に示しているもの
  • - 面積:13.3ヘクタール

主な建造物・施設



  • - 曲家資料館:曲り家の歴史や構造について学べる施設です。
  • - 前沢ふるさと公園:自然に囲まれた公園で、散策や休憩に最適です。
  • - 鹿島神社:集落の守り神として、地域の人々に大切にされています。

アクセス




周辺情報



前沢周辺には、奥会津の豊かな自然や歴史に触れることができるスポットが点在しています。


南会津町前沢は、日本の原風景が残る貴重な場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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