南北分断路線

南北分断路線とは

南北分断路線は、日本の統治が終わった1945年以降の朝鮮半島において、北緯38度線を境に北側で朝鮮民主主義人民共和国、南側で大韓民国が成立したことで形成された鉄道路線を指します。特に1950年に始まった朝鮮戦争により、この38度線が軍事境界線として位置づけられ、鉄道路線がそれぞれの国に分断されることとなりました。これにより、京義線や京元線、土海線、甕津線の4つの主要な鉄道路線が分かれました。

主な鉄道路線

京義線

京義線はソウルと汶山を結ぶ路線で、その後都羅山から板門、さらに開城を経て新義州へと続いていました。北朝鮮では、韓国の京釜線に相当する区間が平釜線（平壌から釜山）および平義線（平壌から新義州）と呼称されています。京義線は、南北双方で異なる経路を持ちながらも、両国の人々や物資の移動に大きな役割を果たす重要な路線となっています。

京元線

京元線は龍山から白馬高地を越え、佳谷を経て平康、元山へと至る路線です。北朝鮮側では、元山から高原にかけての区間が日本統治時代の咸鏡線として位置づけられ、現在は江原線（高原から平康）として名付けられています。

東海北部線

東海北部線は、かつて廃線となりましたが、韓国側では1953年に名目上再開業されました。その後、1967年には全線廃止となり、復活の機会が失われました。1997年には金剛山青年線として、北朝鮮側に相当する区間が再び開業されましたが、韓国側の猪津までの結線が完成したのは2007年であり、現在は営業が行われていません。

金剛山電気鉄道

金剛山電気鉄道も廃線となった路線の一つです。ただ、京義線と京元線については、分断後もそれぞれの地域で運行が続けられています。一方、土海線や甕津線は朝鮮戦争の勃発前に分断されましたが、現在は軍事境界線が定まった後、北朝鮮側で運行されています。

現在の動向

現在、京義線と東海北部線、さらに東海線の鉄道および道路の連結事業が進められており、南北間の交通網再構築が期待されています。

まとめ

南北分断路線は、朝鮮半島の歴史的経緯を反映した鉄道路線であり、その背景には戦争や国の分裂が迫っています。今後の南北関係の進展によって、これらの路線が再び接続される日が来ることを多くの人々が願っています。南北分断路線は、ただの交通手段であるだけでなく、両国の未来にも深く関わる重要な課題であると言えるでしょう。

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