南区 (大阪市)

南区（みなみく）について

南区は、大阪府大阪市に存在していた区で、現在の中央区南部に相当します。廃止時の面積は、大阪市内の区の中で最小でしたが、その西部には大阪ミナミの賑やかな繁華街が広がっていました。このエリアは観光客にも人気で、商業活動が活発な地域でもありました。郵便番号は542で、区役所跡地には現在、大阪市立中央屋内プールが設置されています。

歴史の流れ

南区の歴史は1869年（明治2年）に始まります。この年、大坂三郷の再編成により南大組が成立しました。1875年（明治8年）には、大区小区制が導入され、南大組は第2大区となりました。その4年後の1879年、郡区町村編制法が施行され、正式に南区に改称されました。区役所は当初、南炭屋町に設置され、1880年には東清水町に移転しました。

1884年には鰻谷中之町に移転し、1889年4月1日には市制施行に伴い、大阪市の行政区として発展を遂げました。その後も区役所は幾度かの移転を経て、1891年には長堀橋筋1丁目に、1909年には竹屋町に設けられました。

1925年には、旧西成郡域が浪速区、旧東成郡域が天王寺区にそれぞれ分割され、1943年にさらに区の再編成がありました。最終的に1989年2月13日、南区は東区と統合され、中央区として再編成されました。

人口の変遷

南区の人口は時代ごとに変遷を辿りました。1920年の人口は374,451人でしたが、1925年には121,406人に減少しました。その後も人口は一定の変動を繰り返し、1945年には12,579人まで落ち込む事態となりました。しかし、戦後復興が進むにつれて徐々に人口が増加し、1950年には52,713人、1960年には73,516人に達します。

1970年には49,692人まで減少しましたが、その後はまた人口減少傾向が続きました。最終的に1985年には34,807人となり、南区の歴史も終焉を迎えることとなります。

著名な出身者

南区には多くの著名な出身者がいます。女優の秋野暢子、洋画家の朝井閑右衛門、元祇園甲部芸妓の安藤孝子、そしてお笑い芸人の今田耕司など、多岐にわたるジャンルで活躍されている方々がいます。他にも、落語家の初代桂春団治や喜劇役者の藤山寛美、作家の山崎豊子などが南区出身の著名人です。

南区はその繁華街としての顔と歴史的背景、さらには多くの文化人を輩出した地域としても知られています。過去の変遷を振り返ることで、今後の大阪市の発展に思いを馳せることもできるでしょう。

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