南山寺 (漳州市)

南山寺

南山寺は、中華人民共和国福建省漳州市薌城区丹霞山に位置する著名な仏教寺院です。その歴史は唐代に遡り、数多くの変遷を経て現在に至っています。

歴史

南山寺の創建は唐の開元年間（713年-741年）に遡ります。当時、太子太傅であった陳邕（ちんよう）によって創建され、当初は報劬崇福禅寺（ほうきょすうふくぜんじ）と称されていました。

北宋時代の乾徳6年（968年）には、刺史の陳文（ちんぶん）が寺院を重修し、「崇福寺」と改称しました。この際、漳州知州の章大任（しょうだいにん）から「南州法罄」の額が贈られています。

元の至正9年（1349年）には寺院が再建され、明代になって正式に南山寺と改名されました。しかし、嘉靖24年（1545年）に火災により焼失してしまいます。その後、僧侶の圓性（えんしょう）によって再建され、隆慶元年（1567年）には僧侶の行欽（ぎょうきん）が伽藍を整備しました。万暦46年（1618年）には放生池が増築されています。

近代に入り、1937年には石仏閣の屋頂が日本軍の戦闘機による爆撃で崩落するという被害を受けました。当時の住職であった広心和尚（こうしんおしょう）が募金活動を行い再建、「浄業堂」と改名しました。

1988年6月10日には漳州市の保護単位となり、1996年9月2日には福建省文物保護単位に指定されました。また、1983年には中華人民共和国国務院により、漢族地区仏教全国重点寺院に認定されています。1991年には、シンガポール龍山寺の広浄和尚（こうじょうおしょう）が漳州市を訪れ、シンガポールやフィリピンなどからの資金を集めて千仏閣の旧跡に法堂を建立、1993年に落成しました。

伽藍

南山寺の主要な伽藍としては、山門、天王殿、大雄宝殿、法堂、喝雲祖堂、陳太傅祠、石仏閣、徳星堂、地蔵王殿、福日斎などがあります。

山門に掲げられている『南山寺』の扁額は、明代の書家である黄道周（こうどうしゅう）の筆によるものです。天王殿の『参最上乗』の扁額は、中国仏教協会会長であった趙樸初（ちょうぼくしょ）の揮毫によるものです。現在の大雄宝殿にある「妙相荘厳」の扁額は、律宗の高僧である弘一（こういつ）が揮毫したものです。

重要文化財

南山寺には、以下のような貴重な文化財が所蔵されています。

南唐の保大11年（953年）の石経幢
明代の『華厳経』
清の光緒年間の貝葉
清代の白玉仏像

文学

1956年には、陶鋳（とうちゅう）が南山寺を訪れ、『重遊南山寺』という詩を残しています。

ギャラリー

[南山寺の画像や写真へのリンク]

参考文献

明・万暦『漳州府志・寺観・巻12』
清・康熙『龍渓県志・古跡・巻11』
* [中国仏教協会]] - 漳州南山寺 ([http://www.chinabuddhism.com.cn/zdsy/144/2012-03-13/333.html)

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