南東スラウェシ州

南東スラウェシ州は、インドネシアの主要な島の一つであるスラウェシ島の南東部に位置する州です。州都はケンダリで、スラウェシ島の南東半島部分を占めています。この地域は、歴史的にブトゥン島に人口が集中していましたが、近年はケンダリが急速に都市化を進め、州の中心としての役割を強めています。

歴史

17世紀から20世紀前半にかけて、この地域はイスラム教の政権によって支配されていました。そのため、現在でもイスラム教の影響が色濃く残っています。1964年には、州の西部が南スラウェシ州として分離独立しました。2008年には、ヌール・アラム氏が州知事に就任し、州民の医療費と教育費の無償化、そして村落開発資金の交付を公約に掲げました。これらの政策を実施するために、州内の民間企業に対する新たな課税を進めています。

交通

南東スラウェシ州へのアクセスは、フェリー、飛行機、長距離バスが主な手段です。

フェリー

州都ケンダリからは、インドネシア東部各地へ向かうフェリーが運航しています。また、コラカからは、南スラウェシ州のパロポやボネ県へ向かうカーフェリーが利用できます。ケンダリとブトゥン島のバウバウ市の間は、高速船「スーパージェット」で約5時間で結ばれています。

飛行機

航空便は、ガルーダ・インドネシア航空、ライオン・エア、スリウィジャヤ航空、メルパチ・ヌサンタラ航空、ウィング航空などが、マカッサルからの便を運航しています。

長距離バス

長距離バスは、ケンダリから南スラウェシ州の各都市（マカッサル、タナ・トラジャ県、パロポ、ピンラン、センカンなど）や、中部スラウェシ州のモロワリ県を結んでいます。西海岸沿いにはトランス・スラウェシという道路が整備されており、比較的良好な道路状況が維持されています。一方、東海岸沿いの中部スラウェシ州モロワリ県へ通じる道路は、コンディションが悪く、一般的にはあまり利用されていません。

行政

南東スラウェシ州は、以下の県と市によって構成されています。

県

ボンバナ県（ルンビア）
コラカ県（コラカ）
コナウェ県（ウナアーハァー）
北コラカ県（ラススア）
東コラカ県
北コナウェ県（ワングズ）
南コナウェ県（アンドーロ）
コナウェ諸島県
ミュナ県（ラハ） (ムナ島)
西ミュナ県
ブトン県（バウバウ市） (ブトゥン島)
北ブトン県（ブランガ）
南ブトン県
中ブトン県
ワカトビ県（ワンギワンギ）

市

ケンダリ市
* バウバウ市

ニッケル鉱山

コラカ沖のパダマラン島には、ポマラというニッケル鉱山があります。また、コラカの北に位置する南スラウェシ州トウティ湖の北岸ソロアコ（サロアコ）にもニッケル鉱山が存在します。

その他

アサハン川は、ポマラのニッケル鉱山と同様に、日本の政府開発援助と住友グループによって開発されたプロジェクトです。

南東スラウェシ州は、豊かな自然と歴史、そして多様な文化が共存する地域です。交通網の整備や経済開発が進む一方で、その独自性を保持しながら発展を続けています。

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