南沙織デラックス

『南沙織デラックス』（みなみさおりデラックス）

『南沙織デラックス』は、日本のアイドル歌手である南沙織が1975年6月1日にリリースした、自身にとって初のLP2枚組となるベストアルバムです。発売元はCBSソニー（現：ソニー・ミュージックレーベルズ）でした。

解説

1971年6月1日にシングル「17才」で鮮烈なデビューを飾った南沙織。本作は、そのデビューから丸4年という記念すべき日に発売されました。当時のファンにとって嬉しい特典として、豪華なカラー・ピンナップ集が同梱されていました。

アルバムの構成は、発表されたシングル曲をリリース順にたどる形で展開されており、その間にアルバム収録曲が巧みに配されています。これらのアルバム楽曲も、概ねオリジナル盤の発表順に沿って収録されています。

このベストアルバムが発売された1975年6月の時点で、南沙織はすでに通算10枚のオリジナルアルバムを発表していましたが、本作に選ばれたアルバム曲は、特に『17才』、『20才まえ』、『20才』といった、彼女の年齢をタイトルに冠した初期の代表的なアルバムからの楽曲が重点的に選ばれています。これにより、デビューから4年間の活動の中で生まれた、南沙織の成長や変化を辿るような選曲となっています。

なお、このLPレコード単体としては、現在までにCDとして復刻されていません。しかし、本作に収録されている全ての楽曲は、その後のオリジナルアルバムのCD化や、他の様々な編集盤CDなどに収録されており、現在でもデジタル音源として容易に入手することが可能です。

収録曲

本作には、デビュー曲「17才」から当時の最新シングルまで、南沙織の初期を代表する楽曲が多数収録されています。

Disk 1

Side A

シンシアのテーマ
作曲・編曲: 筒美京平
17才
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
島の伝説
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
潮風のメロディ
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
ふるさとの雨
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
(1stアルバム『17才』より)
シンシアの青春
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
(1stアルバム『17才』より)
ともだち
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平

Side B

純潔
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
哀愁のページ
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
ひとりごと
作詞: 有馬三恵子、作曲: 筒美京平、編曲: 矢野誠
(5thアルバム『早春のハーモニー』より)
魚たちはどこへ
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
(5thアルバム『早春のハーモニー』より)
早春の港
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
傷つく世代
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平

Disk 2

Side A

色づく街
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
ひとかけらの純情
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
バラのかげり
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
妹よ
作詞: 有馬三恵子、作曲: 筒美京平、編曲: 高田弘
(7thアルバム『20才まえ』より)
20才まえ
作詞: 有馬三恵子、作曲: 筒美京平、編曲: 穂口雄右
(7thアルバム『20才まえ』より)
私の出発
作詞: 有馬三恵子、作曲: 筒美京平、編曲: 高田弘
(7thアルバム『20才まえ』より)

Side B

夏の感情
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
夜霧の街
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
女性
作詞: 有馬三恵子、作曲: 筒美京平、編曲: 高田弘
田園交響楽
作詞: 松本隆、作曲・編曲: 馬飼野康二
(10thアルバム『20才』より)
粉雪の慕情
作詞: ちあき哲也、作曲・編曲: 水谷公生
(10thアルバム『20才』より)
想い出通り
* 作詞: 有馬三恵子、作曲: 筒美京平、編曲: 萩田光雄

本作は、主に作詞を有馬三恵子、作曲・編曲を筒美京平が担当した初期黄金期の楽曲を中心に編纂されており、当時の南沙織サウンドの集大成とも言える内容となっています。また、高田弘、矢野誠、穂口雄介、馬飼野康二、水谷公生、萩田光雄といった実力派アレンジャーや、松本隆、ちあき哲也といった他の作詞家も一部参加し、楽曲に彩りを加えています。デビューから4年間の活動を凝縮した、ファンにとって非常に価値の高いベストアルバムと言えるでしょう。

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