南町奉行所 (アニメ制作会社)

南町奉行所：知られざるアニメ制作スタジオの軌跡

有限会社南町奉行所は、かつて存在した日本のアニメ制作会社です。中村プロダクションとカナメプロダクション出身の山崎理氏が、靏山修氏、西井正典氏、大貫健一氏、大張正己氏らと共に1984年に設立しました。

設立と初期の活動

設立当初は、他社からの作画下請けを中心に活動していました。しかし、1987年にJ.C.STAFF制作の『妖刀伝』シリーズで、企画、原案、監督、キャラクターデザイン・作画監督などを担当し、その実力が注目されるようになりました。

デジタル化とゲーム業界への進出

1989年頃に法人化してからは、ゲーム業界との関わりを深めました。『3×3 EYES』のアドベンチャーゲームシリーズや、2D対戦格闘ゲーム『GUILTY GEAR X』のグラフィック制作に協力。アニメ業界では早い段階で社内のデジタル化を推進し、テレビアニメの単独企画・制作ができる体制を整えました。企画・シナリオ・絵コンテ・デザイン・作画・仕上げ・撮影と、アニメ制作のほぼ全工程を内製できる規模にまで成長しました。

元請制作と終焉

2007年には、東京キッズと共同制作したテレビアニメ『地球へ…』で元請制作を開始。同年10月には、靏山修氏が代表取締役に就任しました。しかし、後に『宇宙戦艦ヤマト2199』の制作現場となる予定だったものの、2009年に東京キッズの倒産の影響を受け、事業を停止。スタジオも閉鎖されました。ただし、法人格自体は2019年時点でも存続しています。

主な作品

テレビシリーズ

地球へ… （東京キッズと共同制作、2007年）

OVA

トウキョウ・バイス（1988年）
紅いハヤテ（1992年）

ゲーム

トランプボーイ （1990年）
3×3 EYES 〜三只眼變成〜 （1990年）
3×3 EYES 〜吸精公主〜 （1995年）
3×3 EYES 〜転輪王幻夢〜 （1997年）
GUILTY GEAR X （2000年）

作画担当作品

ああっ女神さまっ （2000年）
天保異聞 妖奇士 （2006年-2007年）
DEATH NOTE （2006年-2007年）
結界師 （2006年-）
スカルマン THE SKULL MAN （2007年）
ウエルベールの物語 〜Sisters of Wellber〜 （2007年）
アイドルマスター XENOGLOSSIA （2007年）
スカイガールズ （2007年）
ef - a tale of memories. （2007年）
ナイトウィザード The ANIMATION （2007年）
マクロスF （2008年）
RD 潜脳調査室 （2008年）

制作協力

妖刀伝 破獄の章・鬼哭の章・炎情の章 （制作元請：J.C.STAFF、1987～1989年）
妖刀伝 （制作元請：J.C.STAFF、1989年）
暗黒神伝承 武神 十六夜情話・八百比丘尼・水蛭子奇譚 （1990～1992年）
サムライガン（制作元請：エッグ、2004年）
ギャラリーフェイク （制作元請：トムス・エンタテインメント→東京キッズ、2005年）
メジャー 2nd season（制作元請：スタジオ雲雀、2006年）
エンジェル・ハート （制作元請：トムス・エンタテインメント、2006年）
僕等がいた （制作元請：アートランド、2006年）
金色のコルダ〜primo passo〜 （制作元請：ゆめ太カンパニー、2006年-2007年）
PERSONA -trinity soul- （制作元請：A-1 Pictures、2008年）
GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO- （制作元請：アートランド、2008年）
イタズラなKiss （制作元請：トムス・エンタテインメント、2008年）
* 今日の5の2 （制作元請：XEBEC、2008年）


南町奉行所は、短い活動期間ながらも、アニメ制作におけるデジタル化の先駆けとして、また多様な作品への参加を通じて、業界に一定の影響を与えたスタジオと言えるでしょう。

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